なぜなにしぇいむ☆おん 第十四回

 「こんばんわ。里美です。なぜなにしぇいむ☆おんが始まるよ!」

 「早苗よ。今日で2月も終りね」

 「体験版公開から半月経ったんだね」

 「早いものね。サーバー屋から怒られたり、ミラーサイト探したり、
 ベクターに登録したりと、大変だったわ」

 「お姉ちゃん! 自分の手柄のように言わないの!
 全部他のスタッフがやってくれたことじゃない」

 「まあね。アタシたちはもっぱらここで雑談してただけよね」

 「うん。雑談というか質疑応答……になるのかな?」

 「でもそれも今日でおしまいかと思うと寂しくなるわね」

 「お姉ちゃん! おしまいってどういうことなの?」

 「あれ? 2月いっぱいでとりあえず引き上げるって聞いてないの?」

 「あ、えっと、α版かβ版をリリースするまで潜伏するって話のことかな?」

 「そうそう。覚えているなら話は早いわ」

 「……本当にやめちゃうの?」

 「里美が名残惜しい気持ちは分かるけど、どこかでけじめはつけないとね。
 シナリオも書かないといけないんだし」

 「うん。わかってるけど」

 「それにα版、β版をリリースしたときには必ずスレは立つから、
 そのときにまた再会すればいいのよ」

 「あ、そうか。別におしまいってわけじゃないんだね」

 「そうね。おしまいって言い方は良くなかったわね。
 連載マンガ風に言えば、作者取材のため休載って感じかしら?」

 「なるほど。でもどちらの作業がメインなのか分からないね」

 「シナリオ書きも書きやすいものだがらこればっかり書いてるけど、
 ちゃんとメインのシナリオを仕上げないと、他班の作業が進まないのよ」

 「そ、そうだね」

 「体験版が完成して、中だるみが発生しているっぽいから、
 ちゃんと仕事をさせないと!」

 「き、厳しいんだね」

 「でも気合を入れてやらなと、5月に完成なんて夢のまた夢よ」

 「あれ? 昨日のなぜなにで無理だって結論がでてなかったっけ?」

 「ああ、あれは撤回するわ。最初から諦めていたら絶対にズルズルいくから」

 「えっとそれって、待ち合わせでようく遅刻する人に、
 本当の待ち合わせ時間より30分早く来るように連絡するようなものかな?」

 「そうそう! その通りよ。よくわかってるじゃない」

 「えへへ。それじゃあ最後の質問(正確にはあと残り3つ)いくね!」

 「いいわよ」

 「最初の質問はこれだよ。じゃん!」

Q.最後の晩餐。あなたなら何食べる?

 「また極端な質問ねぇ。どうしろっていうのよ」

 「好きな食べ物とかだったら答えやすいのにね」

 「まあ質問の意味としては同義と考ええてもいいけど、
 折角だから食べたことが無いものがいいわね」

 「例えば?」

 「そうね。例えばフォアグラとかキャビアとかトリュフとか」

 「三大珍味とか言うけど、本当に美味しいのかな?」

 「さあね。無難にお寿司とでも答えておこうかしら。回転しないヤツね」

 「いわゆる時価のお店だね!」

 「そうね。里美はどうなの? 最後の晩餐」

 「わたしは、お姉ちゃんとお母さんと叔父さんと一緒に食卓を囲めたら、
 料理はなんだっていいよ。きっとなんでも美味しく感じると思うから」

 「アンタって子は……。こんなコーナーで真剣に回答しないでいいのに」

 「え、でも、だって。本当にそう思ったから……」

 「分かってるわよそれくらい。だから余計に悔しいんじゃない」

 「え? え? どうしてお姉ちゃんが悔しいの?」

 「そんな殊勝なことを言われたら、寿司だキャビアだフォアグラだって
 言っていた自分が情けなくなるからよ」

 「あ、その、ごめんなさい」

 「だから謝る必要なんて無いのよ。まったく。それじゃあ次の質問お願いね」

 「うん! 次の質問はこれだよ。じゃん!」

Q.キャラの年齢はいくつなの?

 「これは結構揉めたのよね」

 「揉めたっていうか、シナリオの人が最初に決めてあった年齢を変更したんだよね。」

 「そうとも言うわね」

 「でもどうするの? 年齢公表しちゃっていいの?」

 「うーん。当初は18禁という可能性もあったから、
 アタシも里美も見た目はともかく18歳以上ってことになってたらしいわ」

 「それはちょっと無理があるよね」

 「そうね。でも世間に溢れてるエロゲーの大半は、そんな感じらしいわよ」

 「そ、そうなのお姉ちゃん?」

 「どうみても小学生です。ってキャラも18歳以上だとか、
 魔女だから800歳とかもうムチャクチャらしいわよ」

 「二次元だからやりたい放題だね」

 「そうね。でもこの《しぇいむ☆おん》は幸いにも全年齢だから、
 年齢を公表しても多分問題ないと思うわ」

 「大丈夫かな?」

 「マズかったときは、実はアレ嘘でした〜ってしらばっくれればいいのよ」

 「そ、そんな無茶だよ」

 「いいのよ。それじゃあ各キャラの年齢を列挙するわね」

 「う、うん」

 「年齢の内訳は以下の通りよ!」


 内藤隆也  18歳(大学一年)もうすぐ19歳

 阿部早苗  18歳(高校三年)

 阿部里美  15歳(高校一年)

 飯島可奈  18歳(大学一年)もうすぐ19歳

 栗原美幸  16歳(高校二年)

 木野村典乃 16歳(高校二年)

 阿部高和  35歳(自称20歳)

 琴野志津江 25歳(年齢不詳)

 荒巻大介  19歳(大学一年)


 「あれ? わたしが最年少なんだ」

 「最初は典乃ちゃんと美幸ちゃんが最年少だったんだけど、
 アタシと里美が年子ってのも変だし、年下の里美より発育が悪い典乃ちゃんって
 設定も悪くないと思ってね」

 「大丈夫なの? 揉めなかった?」

 「シナリオ班で調整がとれてれば、他のスタッフに依存はなかったわね」

 「叔父さんって意外と若いんだね」

 「お母さんの弟って設定だからね。
 お母さんの年齢を38〜39歳にしたかったんで、この年齢になったらしいわ」

 「なるほど。でも18歳という設定が多いんだね」

 「そうね。余り年齢差がありすぎると、
 ジェネレーションギャップを描かないといけないから、面倒になったのよね」

 「内藤さんより年上で攻略可能な女性が居ないね」

 「そうね。年上スキーの人には、志津江さんシナリオができることを祈ってもらうしか…」

 「そうだね」

 「さてと、いよいよ最後の質問ね」

 「とりあえずはそうだね。最後の質問はコレです。じゃん!」

Q.みんなの一番嫌いなものは?

 「だからこういう抽象的な質問はヤメてって言ってるでしょう!」

 「お、お姉ちゃん。キレちゃだめだよ」

 「せめて嫌いな○○は? という質問をしなさいよね。
 なんでもかんでも文章を省略する悪い文化がはびこってるせいね」

 「ま、まあ確かに。どうとでも答えられるし、答えにくい質問だね」

 「ふふふ。ここは一つ質問通りに答えてあげましょうか」

 「お、お姉ちゃん! 目が目が据わってるよ!」

 「みんなが一番嫌いなもの。それはっ!」

 「それは?(ごくり)」

 「究極は死、妥当なところで戦争かしら?」

 「それは誰だって嫌いだよ。お姉ちゃん」

 「ええ。だからみんなが一番嫌いなものという質問の答えになってるじゃない」

 「あ、そうか……。じゃなくて!
 多分そういう意味で質問したんじゃないと思うよ」

 「そんなこと百も承知よ。それであえてこういう回答してるの。分かる?」

 「わからないよ」

 「抽象的な質問には抽象的な答えしか返ってこないの。
 勉強になったでしょう?」

 「でもやっぱり大人げないよ」

 「違うわ里美。これは愛の鞭よ。
 間違いは矯正する。例えVIPでもこれだけは譲れないわ」

 「そういえばお姉ちゃんって、曲がったことが大嫌いだったね」

 「そうそう。政治家と企業の癒着問題なんかをニュースで聞くと、
 ハラワタが煮えくり返りそうになるわ」

 「それもお姉ちゃんが嫌いなことの一つだよね?」

 「うっ、まあそうかもね」

 「わたしは毛虫が嫌いです」

 「そんなんでよくガーデニングとかできるわね」

 「別に毛虫を見てキャーっとかいうワケじゃないよ。
 葉っぱとか食い荒らすから嫌いなだけだよ。
 ちゃんとピンセットで取れるもん」

 「そうなんだ。偉いわね。アタシはちょっと苦手かもねそういうの」

 「でもゴキブリは割と平気だよね。わたし見ただけで固まっちゃうよ」

 「あんなものスリッパで一撃じゃない」

 「でも飛んだりするんだよ?」

 「アタシの動体視力の前では、飛んで火に入る夏の虫よ」

 「そのことなんだけど、空中で叩き落とすのはヤメてほしいかも」

 「どうして?」

 「だって、どこにゴキブリが飛んでくるかわからないし、
 前に叔父さんのサングラスにベチャって張り付いたよね」

 「あれはちょっとグロかったわね」

 「あのとき叔父さん3秒くらい失神してたらしいよ」

 「え? そういう風には見えなかったけど」

 「3秒だったから気付かなかったのかも。
 わたしだったら気絶する。いいえ、死んじゃうかも」

 「大袈裟ね、里美は」

 「ちっとも大袈裟じゃないよ。お姉ちゃんがおかしいんだよ」

 「なっ、なんでよ?」

 「普通の女の子はゴキブリを見たら怖くて動けなくなるんだから」

 「可奈さんも?」

 「うん」

 「典乃ちゃんも?」

 「多分」

 「美幸ちゃんも?」

 「お、恐らく……」

 「まあいいわ。今度から気をつけるからそれで許してよ」

 「うん。それならいいけど」

 「さてと、これでスレに書かれていた質問は全部消化したの?」

 「午前中までのログを見る限りだと多分全部だと思うよ」

 「それ以降の質問はα版かβ版リリースまで保留ってことね」

 「申し訳ないけど、そういうことになるかも……」

 「まあすぐに戻ってこれるわよ」

 「そうだね。そうなるといいね」

 「それに、昨日から今朝にかけてのレスをようく見ると……」

 「うん。保守ツールによる保守がほとんどだね」

 「意見らしい意見も出揃ったし、やっぱりこの辺りが潮時だと思うわ」

 「そうだね。このスレを使い終わるか、
 保守しきれずに倉庫逝きになったら、潜伏して作業だね」

 「そうそう。引き際が鮮やかなのが《しぇいむ☆おん》スタッフの美徳なのよ」

 「そ、そうだったんだ。知らなかったよ」

 「まあそれは冗談だけど、ただでさえスタッフが少ないのに、
 これ以上保守業務とかで人員を裂けないしね」

 「そういえば追加でメンバーを募集していたけど、どうなったの?」

 「一応背景を担当してくれそうな人が現れたから、
 その人さえ良ければ、背景は全部作り直して貰おうかと思ってるわ」

 「音楽とデバッグの人は?」

 「どちらも立候補は無しね。音楽はなんとか間に合うかもしれないけど、
 デバッグというか、テストプレイが大変かもね」

 「体験版と違って一本道じゃないもんね」

 「そうね。今のスタッフ数では全部バグを吸収してリリースできるか怪しいわね」

 「そんなわけで、テストプレイヤー(デバッガー)様は随時募集しております」

 「なんか宣伝みたいね」

 「最後だし、言いたいことは全部言っておいたほうがいいかも」

 「そうね。でもまあ言いたいことはほぼ言ったかな? 里美は何かある?」

 「え? あ、うん。なぜなにしぇいむ☆おんを応援してくれたみなさん。
 どうもありがとうございました!」

 「まだ終わったわけじゃないのよ。第一部完! みたいなノリなんだから」

 「そうだけど。一応しばらくお別れするワケだし」

 「そうね。アタシからもお礼を言うわ。ありがと!」

 「それじゃあ、なぜなにしぇいむ☆おん第一部を終りにするね」

 「ご苦労さま」

 「あ、こちらこそ」

 「それじゃあおやすみ!」

 「おやすみなさーい。また今度逢おうね。約束だよ!」

 「次に復活した時に忘れてたら、訴えてやるから」

 「だから一言多いよお姉ちゃん!」

 「いーじゃない。リップサービスなんだから」

 「それはリップサービスじゃ……」

 「喜ぶ連中も……」

 「いないよ…」

      第一部「体験版完成記念編」

          ― 完 ―

なぜなにしぇいむ☆おん第十四回 おわり