なぜなにしぇいむ☆おん 第十六回

 「こんにちは。里美です」

 「早苗よ。久しぶりね!
  それはそうと聞いたわよ里美。
  ついに完成したらしいわね」

 「うん。そうなんだよ、お姉ちゃん。
  5月っていう当初の予定は遅れたけど、
  再度立て直した予定には間に合ったみたい」

 「そう。夏休み前に完成してよかったわね」

 「そうだね。少しずつでいいから、
  夏休み期間中にプレイして欲しいな」

 「別に夏休みじゃなくても、
  年中無休で日曜日ってユーザーが多そうだけどね」

 「お姉ちゃん!」

 「アハハ冗談よ。でも全年齢指定だから、
  小、中学生もプレイは可能だけど、
  道を踏み誤ったってクレームだけはお断りよ」

 「そこまで影響力はないと思うよ……」

 「まあね。
  それにそうなったとしても自己責任ってことで……。
  ところで今日はゲストがいるんだっけ?」

 「あ、うん。今日は完成記念ということで、
  《しぇいむ☆おん》のスタッフ全員に、
  集まって貰いました」

 「そうなんだ」

 「でも、一度に呼ぶと大変なので、
  一人ずつ順番にお話を聞きたいと思います」

 「そうね。その方が記述が楽だしねw」

 「え? どういうこと?」

 「里美は気にしなくていいのよ。
  それで? 誰から呼ぶの?」

 「えっと、最初は飯島さん。
  飯島可奈さんです。ではどうぞ」






 「こんにちは。
  早苗さん。里美ちゃん」

 「こんにちは。
  完成おめでとうございます」

 「こんにちは可奈さん。
  相変わらずな反則プロポーションですね。
  また少し胸大きくなってませんか?」

 「あ、うん。ちょっとだけ増えたかも」

 「お姉ちゃん! それってセクハラだよ」

 「い、いいのよ里美ちゃん。
  この程度で訴えてたら、
  毎日裁判所に通うことになるから」

 「アハハ。ごめんなさい。
  でも何を食べたらそうなるのか、
  あとで里美に教えてあげてくれませんか?」

 「お、お姉ちゃんっ!!」

 「早苗さん。冗談だとは分かるんだけど、
  胸の小ささを気にしている人に、
  そういうことを言うのは良くないと思うわ」

 「ち、小さい……。
  そうですよね。やっぱり小さいですよね。
  出直してきます……」




 「ち、ちがうのよ里美ちゃん!」

 「あーあ。行っちゃった」

 「ど、ど、どうしよう私」

 「大丈夫ですよ。
  チョコとかクッキーをあげれば機嫌直りますから」

 「そ、その程度で本当に機嫌が直るの?」

 「まあ大抵は」

 「あの、だったらこれを渡してもらえるかな?」

 「これって手作りクッキーですか?」

 「え、ええ。そうなの。
  ちょっと作りすぎちゃって」

 「とかなんとか言って、
  本当は隆也に作ってきたんですよね」

 「ち、違うのよ。
  本当に余ったから持ってきただけで」

 「はいはい。わかりました。
  でもありがとう可奈さん。里美も喜ぶと思います」

 「そう。ならよかった」

 「それはそうと、ようやく完成しましたね」

 「そうね。長かったわね」

 「ごめんなさいね。
  私や典乃ちゃんのライターが遅らせちゃったみたいで」

 「そんなことないですよ!
  それを言ったらウチのライターなんて、
  誤字脱字のチャンピオンですよ。
  誤字キングの称号を与えてもいいくらいの」

 「うふふ。でも本当に完成したのね」

 「そうですね。
  可奈さんと隆也は幼馴染みなんですよね」

 「え、ええまあ」

 「その辺がどう絡んでくるのか楽しみですよね」

 「うふふ。本編をプレイして確認してね」

 「ところでこのコーナーはなぜなに《しぇいむ☆おん》
  なんですよ」

 「そ、そうみたいね」

 「それで可奈さんに質問なんですけど」

 「なにかしら?」

 「今現在のスリーサイズを……」

 「えっと、あ、用事を思い出した。
  ごめんなさい。早苗さん。それではまた」



 「あっ! ちょっと!
  ……あーあ。逃げられちゃった」

 「ねえ里美〜! ちょっと戻ってきてよ」

 「……反応なしか」

 「里美ったらー!
  可奈さんから美味しそうなクッキーを貰ったのよ。
  アタシ一人で食べちゃうわよー!」



 「だ、ダメだよ。
  一人占めはいけないんだよ」

 「あ、戻ってきた。
  はいこれ。可奈さんがお詫びにって」

 「わあ、美味しそうなクッキー」

 「全部あげるから機嫌直して。ね?」

 「それとこれとは話は別だよ」

 「あっ! クッキーだけ持って行っちゃった」






 「どーしたんですか?」

 「あっ、典乃ちゃん」

 「あははははー。
  いくらまっても呼ばれないのできちゃいました」

 「放置しててごめんね。
  ちょっと里美がヘソを曲げちゃって」

 「ええー! 里美ちゃんってヘソをまげられるの?」

 「そうじゃないわよ。
  機嫌を損ねたって意味よ」

 「そうなんですかー。早苗さんも、
  可奈さんやみゆみゆと同じでものしりですねー」

 「それは違うわ典乃ちゃん」

 「ほえ?」

 「可奈さんはお茶を濁した答えしか
  返さないと思うけど、アタシは違うわよ」

 「どーしたんですか?」

 「アタシたちが物知りじゃなくて、
  典乃ちゃんがモノを知らないだけなのよ」

 「ええー!
  そうだったんですかー」

 「アハハ冗談よ」

 「なんだー、ジョーダンなんですかー。
  いっしゅんホンキにしちゃいましたよ」

 「ごめんね典乃ちゃん(本当は本気なんだけどね)」

 「そーゆータチのワルいジョーダンは
  やめてくださいよー。
  タカヤだったらおぼんチョップですよー」

 「お盆チョップかー。今度アタシもやってみようかしら?」

 「だ、だ、だ、だめですよー!
  早苗さんがやったらタカヤがシンじゃいますよ!」

 「それってどういう意味かしら?」

 「え? だから早苗さんがおぼんチョップをすると、
  そのイリョクでタカヤがしぬってはなしじゃなくて?」

 「わざわざ解説ありがとう。
  でも聞きたいことはそこじゃないんだけど。
  (まっいいか)」

 「ところでコレって、なんのあつまりですか?」

 「そうそう忘れるところだった。
  マスターアップが完了したから、そのお祝いよ」

 「わーい! おめでとうございまーす」

 「それで急遽なぜなに《しぇいむ☆おん》を
  やることになったんだけど、質問していい?」

 「はいー! なんでも聞いてくださーい!」

 「え? 本当になんでも聞いていいの?」

 「いいですよー」

 「本当にいいのね? 後悔しない?」

 「さ、早苗さん。ちょっとコワイ……」

 「それじゃあ典乃ちゃん家のメインバンクと、
  その口座番号と暗証番号を教えて貰いましょうか」

 「そそそ、そんなのしらないよー」

 「じゃあ調べてきなさい!」

 「ええー!
  そんなことして、おとーさんにおこられないかな?」

 「バレなきゃ平気よ」

 「うーん。わかりました。しらべてきまーす」

 「え!
  ほ、本当に行っちゃった」




 「あのー。ほーるで可奈さんに会ったんで、
  このことはなしたらダマされてるって。
  そーなんですか?」

 「アハハ。騙してはいないわよ。
  でも面倒なことになりそうだから、
  この件については忘れて頂戴」

 「はーい」

 「それじゃあ、
  美幸ちゃんを呼んでくれないかしら?」

 「え? ボクなにもこたえてないよ?
  それでもいーの?」

 「大丈夫よ。充分面白かったから」

 「よくわかんないけどリョーカイ!
  じゃあ みゆみゆ よんできまーす!」






 「ほんと、旋風のような娘ね。
  でもどうしよう。
  美幸ちゃんってちょっと苦手なのよね」

 「お呼びでしょうか?」

 「うわっ! 居たんだ」

 「いました」

 「いつから居たの?」

 「それはヒミツです」

 「あはは、そうなんだ」

 「納得して頂き、ありがとうございます」

 「えっとね。今日は《しぇいむ☆おん》の
  マスターアップが終わって、
  そのお祝いなのよ」

 「なるほど。
  それはおめでとうございます」

 「ちなみに美幸ちゃんは、
  何がマスターアップしたのか知ってるの?」

 「いいえ。存じません。
  マスターアップという単語も存じません」

 「なるほどね……。
  ねえ里美〜! ちょっと来て〜!
  ハーゲンダッツのアイス買ってあげるからさー」



 「なあにお姉ちゃん?」

 「アタシちょっとアイス買ってくるから、
  その間、美幸ちゃんの相手をよろしく!」

 「あっ! お姉ちゃん!
  アイスはビスケットサンドじゃないとダメだからね!」

 「わ、わかったわよ」




 「あ、あのスイマセンでした。
  お姉ちゃん。失礼なこと言いませんでしたか?」

 「いいえ。
  ユーモアのある方だと尊敬しております」

 「あのっ、
  わたし年下だから、敬語とか使わないで下さい」

 「……困りました」

 「え?」

 「努力してみます。だぜ」

 「敬語のままでいいです……」

 「了解しました。だぜ。です?」



 「ようやく完成しましたね」

 「よかったですね」

 「栗原さんは嬉しくないんですか?」

 「私のことは、
  “みゆきん”か“みゆみゆ”とお呼びください」

 「み、みゆきん?」

 「そうです」

 「美幸さんじゃだめでしょうか?」

 「……妥協します」

 「だ、妥協なんですか。ごめんなさい。
  いまはまだちょっと抵抗が……。
  いつかきっと呼べるようになりたいと思います」

 「はい。お待ちしております」



 「それでは、えっと、
  質問をしてもよろしいですか?」

 「はい」

 「ずばり見どころはどこでしょうか?」

 「ミトコンドリア?
  たしか顕微鏡で見ることができます」

 「ミトコンドリアじゃなくて、
  見どころです」

 「血みどろ?」

 「ぜんぜん違います。わざと間違ってませんか?」

 「はい」

 「こ、肯定しちゃうんですか?」

 「冗談です」

 「あんまり悪ふざけしないでください!」

 「ごめんなさい(しょぼん)」

 「あっ、違うんです。
  こちらこそ冗談が通じなくてごめんなさい」

 「芸の道は厳しいですね」

 「叔父さんも同じことを言ってました」

 「店長……。
  ゲイの道と芸の道。うふふ里美さんやりますね」

 「え? え? わたし何か変なこと言いました?」

 「はい。ぐっじょぶだと思います」

 「よく分からないけどくり……、
  美幸さんが楽しんで貰えたのなら満足です」

 「私も満足しました。ご馳走さまでした」

 「お粗末さまでした」

 「うふふふ」

 「えへへ」

 「それでは失礼します。だぜ」

 「あ、はい。
  ありがとうございましたー!」

 「美幸さんって面白い人だったんだな。
  あまり話したことないから知らなかったよ」






 「ただいまー。
  あれ? もう美幸ちゃん帰っちゃったの?」

 「あ、お帰りなさい。お姉ちゃん。
  くり……、美幸さんって面白い人だね」

 「そ、そうなの?
  正直よくわからないけど、
  ウマが合いそうなら良かったわね」

 「うん」

 「はいアイス。
  美幸ちゃんの分も買ってきたんだけど、
  どうしようかしら?」

 「お姉ちゃんが食べれば?」

 「アタシは甘いもの嫌いだから。
  抹茶のカキ氷ならなんとか食べれるけど」

 「なんか苦そう……。
  アイスはわたしが食べるから、
  冷凍庫に入れておいてよ」

 「いいけど。
  アイスとかカロリーの高いものばかり食べてると
  太るわよ?」

 「ちゃ、ちゃんと運動するから大丈夫だもん」

 「本当に運動してるの?
  里美が運動しているところなんて見たことないわよ?」

 「お姉ちゃんに内緒でやってるの。
  それはそうとそろそろおしまいにしないと」

 「そうね。そろそろお開きにしないと。
  それにしても……、よく完成したわね」

 「そうだね。嬉しいね」

 「ベクターに登録が完了して、
  DL出来るようになったら告知はするけど」

 「なかなかDLできなくても怒らないでくださいね」

 「DLしたら、
  ちゃんと隅々まで舐めるようにプレイしなさい」

 「お、お姉ちゃん。
  なんか表現がエッチだよ」

 「そんなことないわよ。これくらい普通よ。
  里美が耳年増なだけでしょ」

 「ち、違うもん。
  わたし耳年増なんかじゃないもん!」



 「あーあ。また怒らせちゃった。
  それじゃ今回のなぜなに《しぇいむ☆おん》
  ベクター申請完了記念スペシャルはおしまいよ」

 「それじゃあね。バイバイ!」


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      なぜなに《しぇいむ☆おん》その16
      ベクター申請完了記念SP おわり
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なぜなにしぇいむ☆おん第十六回 おわり