なぜなにしぇいむ☆おん 第十八回


 

 「お、お姉ちゃん。ついに登録が完了したよ!」 

 「そのようね。
  ツンデレ型ADV《しぇいむ☆おん》
  ようやくダウンロード準備完了ってわけね」 

 「嬉しいね。
  はやくみんなにプレイしてもらいたいな」 

 「そうね。ベクターの転送スピードって、
  どれくらいあるのか知らないけど、
  DLが殺到したら一日かかっても落とせないかもね」 

 「ええ! そうなの?」 

 「まあね。なにせ260M近くあるらしいから。
  仮に転送スピードが400K/Sだとした場合、
  DLするのに10分近くかかる計算になるわね」 

 「うーんと。さっぱり分からないよ」 

 「つまり回線が集中したら、
  それだけDL完了までの時間がかかるってことよ」 

 「体験版のときはプロバイダさんに怒られてたけど、
  それと関係あるの?」 

 「大ありよ。そのために今回はマスターアップしても
  すぐに公開しないで、ベクターに登録したのよ」 

 「そうだったんだ。
  でも、無事に登録できて良かったね」 

 「どうやって検証したのかしら?
  体験版の時は登録まで一週間足らずだったけど、
  今回も同じくらいだったのよね」 

 「別におかしくないと思うけど?」 

 「おかしいのよ。
  体験版はシナリオの総量的に言えば、
  本編の一割にも満たないのよ?」 

 「あっ、そうか。
  ちゃんとプレイして確認するとなると、
  それだけ時間がかかっちゃうんだ」 

 「その通り!
  正直このゲーム。隅から隅までやったら
  10時間くらいかかるから」 

 「じゅ、10時間も?」 

 「テキストや演出を、
  ひとつもスキップしないでやった場合、
  少なく見積もってもそれくらいになると思うわ」 

 「《しぇいむ☆おん》はヒロインが5人いるから、
  一人当たり2時間という計算でいいの?」 

 「そうね。正確には多少の誤差はあるし、
  本編だけじゃなく、サブシナリオや、
  店長、志津江さん、荒巻くんシナリオ。それに……」 

 「おまけシナリオだね!」 

 「そう。クリア後のご褒美に作ったおまけシナリオ。
  これが結構バカにならないテキスト量なのよ」 

 「どういった内容なの?」 

 「うふふ、それはヒミツよ。
  プレイしてからのお楽しみ」 

 「ずるいな〜お姉ちゃんは。
  あとミニゲームもあるんだよね!」 

 「そうよ。
  こちらもクリア後の暇つぶしにやってみてね」 

 「《しぇいむ☆おん》の女の子全員と対戦できるよ」 

 「そうね。でも志津江さんって女の子?」 

 「オ・ン・ナ・ノ・コ・よ?」 

 「し、志津江さん!!」 

 「いつの間に……」 

 「神出鬼没が私のモットーだから。
  ミニゲームの神経衰弱。
  果たして私に勝てるかしら?」 

 「琴野さんって強そうですよね」 

 「残念。一番強いのはあのコよ。
  私は二番目。ちなみに一番弱いのは……」 

 「あのコですね」 

 「そうよ。よく分かってるわね」 

 「え? え? 誰なんですか?」 

 「里美ちゃんじゃないから安心してね」 

 「それって、
  もう答えを言ってしまったのと同じですよ」 

 「あはは。そうかもね。それじゃ私は戻るけど、
  オバサンとか年増とかいう単語が聞こえたら、
  すぐに飛んでくるから。覚悟しといてね」 

 「ハハハ、気を付けます」 

 「お疲れさまでした」 




 「ふう。びっくりしたわね」 

 「そうだねお姉ちゃん。
  それにしても盛り沢山だね」 

 「ああそうね。
  色々詰め込めるだけ詰め込んだから、
  開発者も悔いはないでしょうね」 

 「でも今になってもまだ、
  あれをしたい。これを実装したかったって、
  嘆いている人がいるらしいよ」 

 「言うだけなら自由よ」 

 「そうだね。あっ! 思い出した。
  ひょっとしたら次回のなぜなに《しぇいむ☆おん》は
  サプライズゲストが登場するかも……」 

 「ん? なにそれ?
  アタシは聞いてないわよそんなこと」 

 「それでは今日はこの辺で!」 

 「ちょっと里美ったら、
  どういうことか説明しなさいよ」 

 「さようなら〜」 

 「あっ! こら……」 



 「まったく。逃げ足だけは速いんだから。
  ――仕方ない。
  アタシもサプライズゲストに期待しつつ寝るかな?」 

 「それじゃおやすみ!」 

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      なぜなに《しぇいむ☆おん》その18
      ベクター登録完了記念SP おわり
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なぜなにしぇいむ☆おん第十八回 おわり