なぜなにしぇいむ☆おん 第二十一回

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  なぜなに《しぇいむ☆おん》その21 
    最強にして最弱キャラ降臨   
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 「里美です。なぜなに《しぇいむ☆おん》はじまるよ!」 

 「アシスタントの桃子さんよ」 

 「え? いつの間にアシスタントになったんですか?」 

 「早苗ちゃんが受験勉強に専念したいっていうから、
  2回に1回くらい変わってもらったのよ」 

 「そうだったんですか。よろしくお願いします」 

 「よろしくね。
  ところで今日はあのオバサンは居ないの?」 

 「だ、ダメです。その言葉を言ったら絶対に……」 




 「またあなたなの?
  相変わらず喧嘩売る気マンマンみたいね」 

 「そんなことありませんわ。
  歯牙にもかけておりませんので、おあいにくさま」 

 「ふ、ふたりとも仲良く!」 

 「ゴメンね里美ちゃん。そうしたいのは山々だけど、
  どうしても負けられない戦いってあると思うの」 

 「あら奇遇ですね。私もその意見には同感ですよ」 

 「正直なところ、里美ちゃんやバイトの娘たちは
  素直すぎて張り合いがなかったところなのよ。
  あなたは退屈しのぎにはなってくれるわよね?」 

 「さあどうでしょう。
  そのちっぽけな自尊心を失う前に帰った方が、
  身のためだと思いますよ」 

 「慇懃無礼なひとって嫌いじゃないのよね」 

 「怒りを我慢してると小皺が増えますよ?
  オ・バ・サ・ン」 

 「また言ったわね。2回も言ったわね!」 

 「ああ、あのっ! あのっ!
  やめて、喧嘩はやめてください」 




 「はいはいそこまで」 

 「お母さん!」 

 「あ、幸子さん」 

 「お加減はいかがですか?」 

 「ええ。今日はとても気分がよかったんだけど、
  誰かさんたちのおかげで体調を崩しそうだわ」 

 「……」 

 「……」 

 「だ、大丈夫なの!」 

 「ええ。もう平気よ。そうよね。おふたりさん」 

 「あはは、はい」 

 「すみませんでした」 

 「いやだわ。別に責めてるわけじゃないのよ。
  でも喧嘩は良くないわ。
  女の子同士の喧嘩って余り耳障りが良くないから尚更ね」 

 「確かにそうですね。失礼しました」 

 「仰る通りです」 

 「ありがとう。
  ふたりならきっと分かってくれると思ってたわ。
  綺麗な女の子は喧嘩するより笑っていて欲しいの」 

 「お、女の子って……。
  流石にそこまで言われると、
  お世辞じゃなく皮肉に聞こえますよ」 

 「そうなの?
  わたしみたいなオバサンから見たら、
  志津江さんも桃子さんもまだまだ女の子よ」 

 「なに照れてるのかしら。
  素直に喜んどけばいいのに」 

 「何か言った?」 

 「いやーん。志津江さんが怒ったー。
  幸子さん助けてー」 

 「志津江さん。いけませんよ。笑顔笑顔」 

 「はいはい。分かりました。
  幸子さんには叶いません」 

 「でも志津江さんは笑っていた方が、
  ずっと素敵ですよ」 

 「う、うん。わたしもそう思います」 

 「親子でそういわれると、
  もう降参するしかないじゃないですか」 

 「そうね。笑ってたほうが若く見えますよ」 

 「あなたってほんと一言多いわね。
  その口から舌を抜いてタン塩にしてあげましょうか?」 

 「そうなのよねぇ。
  昔からよく言われるのよねぇ。
  だから諦めてくださいね♪」 

 「可愛らしく言っても同じよ!」 

 「またそうやって怒る。
  ダメだって幸子さんに言われたの、
  もう忘れたんですか?」 

 「覚えてるわよ!
  どうも今日は歩が悪いわね。
  あなたとは日を改めてまた再戦を願いたいわ」 

 「いやーん。まだ喧嘩売ってますよー。
  そうだ。ディベートなら受けて立ちますよ」 

 「面白そうね。それなら問題ないですよね」 

 「そうね。
  お互いの容姿や性格じゃないところで討論するのは
  とても良いことだと思いますよ」 

 「ディベートのテーマは、
  その場で里美ちゃんに提出してもらいましょう。
  事前準備なしでの勝負よ」 

 「いいわよ。望むところよ」 

 「え? ええ? テーマってそんな」 

 「そんなに大袈裟に考える必要はないのよ。
  テーマなんて、高和くんのアフロは必要か否か。
  みたいなのでもいいんだから」 

 「そ、そんなのでいいの?」 

 「それでもいいけど。
  できれば別のテーマが望ましいわね」 

 「ふーん。そうなの。
  私はそれでもゼンゼン構いませんよ」 

 「別に問題は無いわよ!
  ただちょっと不毛かなって思っただけよ」 

 「じゃあ決まりね!」 

 「分かったわよ。首を洗って待ってなさい。
  コテンパンに論破してあげるから」 

 「はいはい。お待ちしております」 




 「行っちゃった……」 

 「桃子さん。
  あまり志津江さんをからかっちゃ駄目ですよ」 

 「はーい。
  でもいつもバイトの店員をからかってばかりいるから、
  たまには逆の立場になってみるのもいいかと思って」 

 「そ、そんなことまで計算してたんですか?」 

 「そうよ。
  天敵が居ないって言うのも寂しいものでしょ」 

 「そうなのかな? よくわかりません」 

 「さっきぽろっと本音を言ってたじゃない。
  張り合いがないって」 

 「あっ! た、確かに……」 

 「向こうはどう思ってるか知らないけど、
  別に本気じゃないから心配しないでね」 

 「あの、なんか藤本さんのこと誤解してました。
  本当はいい人だったんですね」 

 「ちょっと傷付く言い方ね。
  まっ、仕方ないか」 

 「ごっ、ごめんなさい」 

 「そろそろ部屋に戻らせて貰うわね。
  少し疲れたみたい」 

 「お母さん大丈夫?」 

 「平気よ」 

 「すいません。脈を失礼します」 




 「少し心拍数が上がって、発熱もしてるみたいですね。
  里美ちゃん。部屋まで付き添ってあげて」 

 「は、はい! お母さん行こう」 

 「そんな顔しなくていいのよ。大丈夫だから」 

 「お大事に……」 




 「はあ。なんかしんみりしちゃったわね。
  ん? 何か忘れているような……」 

 「そう言えば今日はQ&Aやってないじゃない!」 

 「ま、いいか。それじゃあまたね〜
  バイバ〜イ!」 

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  なぜなに《しぇいむ☆おん》その21 
  最強にして最弱キャラ降臨 END 
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なぜなにしぇいむ☆おん第二十一回 おわり