B-DASH「さわやか」 君と会ったあの日から今思うよ In My Room 僕の目を覚ました 君の愛 xxxxx Big In your mind 子供だった僕は みんなのを見てもまだ Feel your mind 解らないでいたけど 今は見えるよ 君が僕のパパで 君は僕のままで 君が僕の兄貴で 君は僕の姉貴 今 目から鱗が何枚落ちたって頃 鱗が落ちる程 好きになる Mother xxxxx Love in you ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 晴天を眺める。今日も空は青い。 朝から続いた無償労働をこうやってこっそりサボる快感。 ベンチに腰掛けて何気ない夏の日影で思う。 「ガキの頃から、不真面目だったなぁ」 確かめる様に、深呼吸して、吐く。 当たり前の景色と当たり前の行為を、今特別の事の様に味わっている。 ああ幸せだ。現実逃避って奴は。 「はぁ!?隆也がバックれた!?」 とか今頃早苗がキレてるんだろう。逃げないよ俺は。 ただ、朝の五時に出るまで携帯を鳴らされ 「いっつも優待券で遠慮無しに飲み食いしてるんだからちょっと手伝いなさいよね!今すぐ来なさい!!」 初っ端からお怒りの口調で召集掛けられ 「遅いッ!今から大掃除するわよ!男手が足りないんだからちゃっちゃと働きなさいよね!」 来たら行き成り朝食も摂らずに強制労働―― 故の休憩。黙ってたら朽ちるまで働かされそうだ。 ……自分が想像しただけあってかなり恐ろしい図が見えた。 少し体を休めたら、どうするか考えるつもりだ。 ……まぁ、どうせ逃げる場所も無いんだが。 公園のベンチから見える時計は11時半を過ぎていた。 昼食も近くなって人も居ない。 [SE:腹の音] ……何か摂らないと働く前に倒れそうだ。 ちなみに、サイフは自宅に置いて来た。 以下の展開を大いに期待していたから。 早苗「新作のメニューの味見させてやるんだから!ありがたく思いなさいよね」 里美「あ、あの……こ、これ、私が……作りました。受け取って……くれませんか?」 典乃「失敗作が余っちゃったよー、捨てるのも勿体無いから隆也全部食べちゃって!」 志津江「どーせまともなもん喰ってないんでしょ?おねーさんが腕を振るっちゃってあげましょう!感謝しろよな?」 可奈「あんた何も食ってないの?!……あっきれた。あまりにも可哀想だから、何か見繕ってあげるわ」 HG「やぁ隆也君、新作メニューと一緒に僕も如何ですかFooooo!」 ……寝起きの頭の思考力の無さは恐ろしい。有り得ないって気づけよ!気付いてくれよ! 有り得なくてよかったものも、中には有るが。 と云う訳で服中のポケットから小銭を探してみる。 ポケットには銀色の百円と酸化しきった茶色の十円二枚。 おにぎり一個かジュース一杯か。人生一途轍も無くレベルの低い究極の選択を強いられている。 ああ、大人しく自宅に戻ろうか……考えるだけでも疲れる今、それもまた賭けだった。 途端にやる気は失せて、小銭を握ったまま、ベンチの上に倒れこんでしまう。 ああ……だりぃ。金さえあればピザの宅配だって頼めるのに……。 [SE:小銭が落ちる音] 力なくぶら下げた腕が、握っていた拳からも力を奪う。 全財産たる二束三文が指から転げ落ちた。いかん、喰えるものも喰えなくなってしまう。 よろよろと体を持ち上げ、落ちた筈の小銭を探す為に地面に目をやる。 ――と、不意に目の前に握り拳が差し出される。 顔を上げた。 「……こんな所に居たんですか」 「……いよう、美幸」 [木陰の下で二人で並んでベンチに座る[美幸の上には籠の箱]] 「そーいや美幸だけ忘れてた」 「……何を?」 首を傾げる美幸。 「や、こっちの話……で、早苗達は」 「……怒ってます。仕事が進まないって」 「はは、だろうなぁ……。戻れるのかな俺」 「?」 もう一度美幸は首を傾げた。そんなに俺解らない事云ってるかな。 「今しがた究極の選択に駆られてたから」 「120円で何を買うか?ですか」 「……正解。朝から何も食べてなかったよ」 「……死なないで下さいよ」 「死にそうだ」 「はぁ……」 大きくため息を吐く美幸。呆れているのか本当に心配してくれているのか。 「ああ、まぁおにぎり買ったらすぐ戻るよ。どうせ逃げ場も無いから」 「え、あの」 「ん、何?」 「……飲み物の方が、いいですよ」 「何で?」 美幸は持ってきた籐の籠の箱に目をやる。 「……まさか」(SE:つばを飲み込む音) ゆっくりと開く。野菜とベーコン、卵にツナと豪華な具のサンドイッチが詰め込んであった。 「ありがとう!ほんとありがとう!」 「……死なないで済みますか?」 「何とか」 そう云うと俺はすぐに、公園前の自動販売機に駆け出していた。 「はぁ……空腹だったから腹に染みる。美味しいよ」 「……よかったです」 「しぇいむおん行けば何か喰えるとばっかり思ってたから、何も喰わずに働く羽目になって大変だったよ」 「……男手の前に人手が足りませんから」 「喰ったらすぐ行くよ。……うん旨い」 「あの……そんなに美味しいですか?」 「旨いよ。美幸も喰う?」 「いえ、その……」 「何?みんなはもう食べてきた?」 「それも有るんですが、その……」 目の前に居るのに美幸は視線を逸らす。 だんだん態度がしどろもどろになってるのがよく解る。 「どの?」 「これ、……私が作りましたから」 そう云うと、しどろもどろになった態度が顔一点に集まって、美幸もどんな顔をしていいか解らない様に唸っていた。 「……ありがと、命の恩人」 「……いえ」 どうやらジュースで胃に流し込むのは無礼かも知れないな。 空腹の腹にも悪いから、残りのサンドイッチは、ゆっくり噛んで味わう事にした。 「さてと、行くか」 「……少し休憩してからでもいいです。食べた後は食休みですから」 「……いいのか?」 「早苗さんには私が探すって話してあります。どうせ怒られるんなら少しくらい遅れてもいいでしょう」 「つくづく助かるよ、ありがとう」 「……いえ」 空き缶を隣のゴミ箱に照準を向ける。左手は添えるだけ。 漫画でしか見た事の無い投法だったけど、空き缶は高い音を鳴らして目標に収まった。 「……みんな、ご飯用意してない訳じゃ無いですよ」 「ん?」 「大掃除が終わってから、みんなで軽くパーティしようって話してたんです」 「ふ―ん」 「夜になりますけど……無論、隆也さんも」 「あー……じゃあ自分の飯もサイフも持ってこなかった俺がバカだったのかなぁ」 「そうですね」 「痛いな……ってみゆきんはっきり云いすぎ!」 「たかやんがドジっこだからです」 そうして俺が笑う。後を付いて来る様に小さく美幸が笑う。 「……楽しいよな」 「そう、ですか?」 「楽しいよ。しぇいむおんを尋ねてから本当色々有り過ぎて身体が持たない……ってか足りない」 「……私は、隆也さんが来てからそうなりました」 「そう?」 「……楽しいです」 「そりゃあよかった」 少しずつ公園には子供達が戻ってきた。 砂場に大きな城を建築しようと頑張っている。 「……それでも、時々昔の感覚が戻ってきます」 「……。」 「いっそ裏切ってしまえば容易」 「そんな事云わなくていいよ。もう絶対そんな事は無い」 「でも!」 「……大丈夫だって。例え簡単に裏切ったってみんなお前に着いて行くぞ」 「……。」 「で、絶対そんな事云えなくなる様にしてやる。俺がしてやる!だから云うな」 「隆也さん……」 「いや……やっぱ云ってもいいわ。云ったら毎回このやり取りだけどな」 「……毎回臭い芝居ですか」 「いいじゃん、俺も美幸もすぐには変わらないんだから」 「……たまには、私好みなのもお願いします」 「ん、美幸好み?」 そう云ったすぐ、美幸の顔が間近に近づく。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ あかんwwwwwwwwwwwwwwwwクラナド渚パートじゃねええかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 美幸エピローグ妄想、失敗でしたとさ。チャンチャン 気付くのが我ながら遅くて困る。