「やっぱ、キンチョーする? (…コク) 美幸はいつもの調子で頷いた。 (いいのか?おれ?でもなぁ… 今俺と美幸はいわゆるラブホテルにいる。 なんでこんなことになったのか… そう、美幸が言い出したんだ。 ーーーーーー回想?ーーーーーーー 「…隆也さん、ちょっといいですか。 「ん?何? なんか相談? 「…別に隆也さんじゃなくてもいいんですけど。 おいおい。ならおれじゃなくてもいいんじゃないか? 「…でも隆也さんじゃないといけないんです。 (??? 訳が分からん…でもこのコは前からそうだったよな。 まぁ… ・聞いてやるか。 ・なんか…いいや。 ーーーーーーー聞いてやるーーーーーーー まぁ…聞いてやるか。 (ニコッ) 俺は笑顔の仮面を用意した。てゆーか意気揚々? 「何?美幸ちゃん。俺でいいなら聞くよ。 「…聞いてくれるのが当然です。 「うっ… 本当に聞いて欲しいのかと小一時間… いや、この仮面は外すんじゃないぞ。 いいな、隆也。 「う、うんそうだね。あはは… それで何か知りたいことでもあるの? (…コク) 頷いたところで何だか黙ってしまった。 聞きづらいのだろうか? 「…あの…ですね。 男の人はどうしたら喜ぶんですか? 「は? しまった! つい、仮面の隙間から声を発してしまった… 美幸…恐ろしいコ! 「それならアレしかないやね。んふふ。 志津江さんだ。この人も苦手だよ。 いい年なのにイタズラ好きはどうにかならんものか… 「…アレってなんですか。志津江さん。 「そうだねぇ。美幸ちゃんこっちおいで。 い、行ってしまった…。 俺じゃないとダメなんじゃないのか。 … …… ……… 厨房の中でよく二人の表情が見えないが、志津江さんは楽しそうなのは分かる。 (あの人まさかまたなんか企んでるんじゃ…) それより美幸ちゃんは何で男の喜ぶ事知りたいんだ? はは〜ん。恋か。 いいねぇ。でもあのコが好きな男と接する絵が浮かばない。 見た目は可愛いんだけどなぁ。 話が終わったのか美幸がこっちに戻ってきた。 「教えてもらったの? (…コク) 「良かったね。そっかぁ。美幸ちゃんもねぇ… 「…何の事ですか? 「いやいや、こっちの話♪ 「…そうですか。 隆也さんは今晩予定はないですね。 「え? 「…ないなら… 私とその…ラブホテルに行きましょう。 !!!!!!!!!!!!!!!!!!! よくあるマンガならここでお茶を気持ち良く吹き出しているに違いない。 な、何を言い出すんだ?このコはっ!? その口か?そのカワイイ唇でか!? 「…行きましょう。 「ちょwww待って! 美幸ちゃんそういう所は俺と行くべきじゃないんじゃないかな? 「…そうでしょうか? 「そ う で す ! 絶対! 「…でも行きましょう。 …………………………OTL だめだ…このコは俺の話を聞いちゃいねえ。 「行ってあげればぁ? 「し、志津江さん!何を言ってるんですか!? そんなトコは愛し合った男女が赴く場所ですよ? 「まぁいいじゃない。行くだけなら。ね♪ 「…行きましょう、隆也さん。 「けってーーーーーい! いってらっしゃい。た か や く ん ♪ 「…じゃあ、そういうことで。 二人とも行ってしまった…。 美幸ちゃんの考えてる事がますます分からん。 一体全体どこがどうしてだれがどうなったら ラブホの話になるんだよ。 あぁ、そうか。これはドッキリだな。 志津江さんの仕組んだドッキリに違いない。 いざラブホに入ったら俺も純然たる男子だ。 美少女を目の前にして変な気を起こさないというほうがどうかしてる。 あぁ、そうさ。そこを志津江さんがばっちり現場を押さえ… 美幸ちゃんはあの調子で訳の分からないといった感じだろうから 俺は同意のない性交渉を未遂…と。 それで志津江姉さんに……… ひぃいいいいいいいいいいいいいい!!!! 何をされるか分かったもんじゃない! でも行かなくても結局は… いや、待てよ?そもそも… しばらくお待ち下さい… というわけで、ここは306号室。 とりあえず部屋に入ったはいいが… 「…… 美幸ちゃんは何も喋らないし、俺は何をしたらいいか分からねぇし かなり綺麗な部屋だが。 そもそもホテルなんて初めてだぞ。 隆也ちゃんのはじめてのラブホの始まりだよ。 ヘイ!俺は隆也。20才になったばかり。 ってか…ふふふ。 でも、何もしないのもアレだ。 ここはリードしたほうがいいか。 「美幸ちゃん、何か飲む? 「…… (…コク) 「何がいいかな?この冷蔵庫に… … 高いなやはり…ええい!男隆也!ジュースごときでっ! 俺は冷蔵庫に入っていたジュースを片っ端から取り出した。 「は、はい!好きなの飲んで。 (…コク) 「