//(BGM) //(BG アパート前) <隆也> 「ようやく到着……」■ 額に溜まった汗を拭きつつ、俺はこれから住む事になる新居を見上げた。■ <隆也> 「日当たり良好、騒音少なし、築三年の1LDKに風呂とトイレ付きなり」■ おまけに駅へのアクセスも容易。一人暮らしの学生には勿体無いような物件である。■ どうしてこんな風になったかと言うと、以前住んでいたアパートが区画整備だかなんだかの疎き目にあったからに他ならない。■ <隆也> 「日頃の行いだな」■ 一人でうきうきしながら階段を駆け上がり、「内藤」の表札がかけられたドアの前に立つ。■ それから、ポケットから取り出した鍵をドアノブにねじ込み、捻る。■ <隆也> 「おじゃましまーす」■ ──ガチャリ■ 扉を開けると玄関。■ 上がり框を跨ぎ、気が狂いそうな重さの荷物を一旦廊下に預けると、そのままリビングへと足を運ぶ。■ //(BG 自宅) 傾きかけた夕日が、無機質なリビングを赤く染め上げていた。■ <隆也> 「……疲れた」■ //(SE 倒れこむ音) まだ何も敷いていない、固いフローリングの上に倒れこむ。■ <隆也> (あ……シャワー浴びなきゃまずいかな……)■ そう思いながらもゆっくりと目を閉じる。■ <隆也> (……まぁ、いいや……)■ ……。■ …。■