//--------------------------------------------------- //§M_SH01 //場所:自宅、喫茶店 //BGM:隆也のテーマ、早苗のテーマ、しぇいむおんのテーマ //SE:ドアを開ける音(鈴がなるやつ) //一枚絵:なし //シーン:本当に来たんだ? //選択肢:なし //フラグ:M_SH02発生条件達成 //--------------------------------------------------- //以下本文: //--------------------------------------------------- //場所:自宅 //BGM:隆也のテーマ //SE:なし <非> 人類は炎とともに進化してきた。□ 寒いときには暖をとり、料理に、発電に、武器に、□ 様々な分野で我々に恩恵を与えてくれた。■ これが文明の起源ってやつだ。■ だが、いま俺のアパートにはその文明の□ 先駆けがぽっかりと欠けている。■ ガスはあれどもコンロがない。□ ヤカンもなければナベもない。□ タバコは吸わないからライターも無い。■ 結論! 内藤隆也、自炊不可能。■ しかし腹は減る。■ 『週に5回は顔を出しなさいよ』■ ふと、早苗ちゃんの言葉が脳裏によぎる。■ そうだな。□ 朝飯を食べに通えば週5回なんて楽勝だな。■ とりあえず金はある。□ 少なくともこの夏休みを乗り切るには充分の金額だ。□ あぶく銭だし、溜め込んでても仕方ないよな。■ そうと決まればレッツゴー□ しぇいむ☆おん!■ // 移動時のエフェクト …………■ ……■ …■ //場所:喫茶店 //BGM:里美のテーマ //SE:チャイム(カウ音) キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「いらっしゃいませー!□  あれ? 隆也じゃない。懲りずにまた来たんだ」■ <隆也> 「懲りずにって、おまえが週に5回通えとか□  脅すから、こうして律儀に通ってるんじゃないか」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「え? アタシそんなこと言ったっけ?」■ <非> なにこの口調。本気で忘れてるっぽいよ。■ <隆也> 「言ったじゃねえか。マジで覚えてないの?」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「もちろん覚えてるわよ。□  でもまさか本気にしているとは思わなかったから□  ちょっと意外」■ <隆也> 「ふはは。□  俺は女の子との約束だけは破らないことで□  有名なんだ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「ふーん。□  それじゃあ男の子との約束は破っちゃうんだ」■ <隆也> 「それはケースバイケースだ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「まあいいけど。とりあえず席に座ったら?」■ <隆也> 「おいおい、案内とかしてくれないのかよ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「えっと。そうねえ。□  それじゃあ空いてる席へどうぞ」■ <隆也> 「横着しすぎだろ。俺は一応客だぞ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「バカ言わないでよ。□  これは優遇処置なのよ。■  隆也はねえ、□  自分で好きな場所に座れる特権を与えられたのよ。□  感謝して欲しいくらいだわ」■ <隆也> 「そうなのか? なんか俺、騙されてないか?□  怪しい壺とか、絵画とかそのうち買ってくれとか□  言い出さないだろうな?」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「失礼ね。□  どうしても案内して欲しいというのなら、□  トイレの傍の席に案内してあげましょうか?」■ <隆也> 「いや、遠慮します。自分で探します」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「そうそう。□  はじめから素直にそうしておけばいいのよ。■  それにね。お気に入りの場所って□  自分で見つけるのが楽しいでしょう?」■ <隆也> 「なるほどな」■ <非> 確かに一理ある。■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「午前中は比較的暇だから、何度か移動して、□  自分の指定席を決めるのもいいかもね」■ <隆也> 「指定席か。口が上手いな」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「違うわよ。□  でも、何度も通ってくれたら、□  本当に指定席を用意してあげてもいいわよ」■ <隆也> 「いいなそれ。□  だけどそんな権限がバイトのおまえにあるのか?」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「あるわよ。□  だって店長はアタシの叔父さんだもの。□  経理とか面倒臭いことは全部アタシがやってるのよ」■ <非> これは驚いた。□ あのインパクトの塊である店長が叔父だって?■ 強引な性格は、まあ似てなくもないな。■ 何が嬉しいかって、容姿が似ないで本当に良かった。□ 神よ。あなたに感謝します。■ <早苗 「で、どうするの?」■ <隆也> 「ん? なにが?」■ <隆也> 「できれば早いところ席に座って欲しいんだけど」■ <非> 早苗ちゃんが腰に手を当てて、足をとんとんと鳴らす。□ お客さんも居ないのに、せかさせれるよ。■ <隆也> 「そうだった。□  それじゃ、あっちの席に座ろうかな」■ <非> 俺は外が良く見える窓側の席に座った。■ キャラ消去(早苗) …………■ ……■ …■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「はい。お冷。□  今朝は涼しかったけど、それでも喉は渇いたでしょ」■ <隆也> 「サンキュー、ありがたい」■ 俺はお冷を一気に飲み干した。■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「そんなに慌てて飲むとお腹が痛くなるわよ」■ <隆也> 「ふっふっふ。□  甘いな。俺の胃腸は鋼鉄製だぜ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「ふーん。□  じゃあ賞味期限が切れた食材で作った料理も□  食べられるわね。よかったよかった」■ <隆也> 「よくねえよ!」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「なによ! 鋼鉄の胃腸なんでしょ。嘘なの?□  話が違うじゃない!」■ <隆也> 「そ、そういう問題じゃねえだろ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「嘘つき! 嘘つき! 嘘つきー!」■ <隆也> 「ぐぐぐ……」■ 恐らくではあるが、早苗ちゃんは年下だろう。□ その年下の女の子に翻弄されてる俺って。■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「隆也ってほんっと、からかい甲斐があるわね。□  それで注文は決まったの?□  まだなの? 早く決めてよね」■ <隆也> 「ちょっと待てくれ。□  つか俺に考える暇を与えてないだろ!」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「なによ。こんな単純な並列処理もできないの?□  程度の知れた頭ねえ。□  そもそも隆也って何してる人?■  ひょっとして、ニート?」■ <隆也> 「ニートじゃねえよ!□  れっきとした大学生だよ!」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「ふうん。大学生なんだ。少し意外。□  大学ってそこの○○大学?」■ <隆也> 「そうだよ。結構難しいんだぜ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「知ってるわよ。□  でも多分、隆也が受かったのは、□  幾多の偶然がかさなったのと、少子化のおかげね」■ <隆也> 「さりげなくバカにしてない?」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「いや〜ねぇ。そんなことないわよ。□  それより。注文決められないんだったら、□  これなんかどう? 新メニューよ」■ <非> 早苗ちゃんがメニューの一番下にある、□ 《店長お勧め、日替わり朝食セット》□ なるものを指す。■ <隆也> 「日替わりランチなら聞いたことあるけど、□  朝食の日替わりっていうのは初めて見たな」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「でしょう。なにが出てくるか楽しみだと思わない?」■ <隆也> 「確かに。でも朝食って割には値段高くない?」■ 日替わり朝食セットは800円と、実に微妙な値段だ。■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「セコッ! せっこいわねぇ。男でしょう?□  騙されたと思って一度チャレンジしてみなさいよ」■ <非> 確かにその通りだ。ケチケチするんじゃない俺。□ 大家から立退き料をたんまり頂いた俺にとって、□ 800円は大した出費ではないじゃないか。■ <隆也> 「わかった。頼んでみるよ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「さっすが隆也。太っ腹!□  店長! 日替わり朝食はいりまーす」■ <店長> 「ほっほーい。□  朝から精の付くやつ振る舞いますよー□  私の愛情という名のスパイスも注ぎ込みますよー」■ <非> 厨房から気合の入った店長の返事が聞こえる。□ 別に朝っぱらから精をつけなくてもいいんだけどな。■ キャラ消去(早苗) …………■ ……■ …■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「はーい。お待たせしました。□  店長お勧め、日替わり朝食でーす」■ キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「会心の出来だよ隆也くん!□  名付けて夏への扉! ご賞味あれ!□  さあさあ、ぐっといって! ぐっと!」■ <非> 早苗ちゃんと一緒に店長まででてきたよ。□ いいのかよ? 店ほったらかしで。■ まあ客は俺一人だから問題はないんだろうけど、□ コック帽からはみだしたブロッコリーが、□ 気になって仕方ない。■ それはそうと、これが朝食か?□ 赤く焼けた鉄板の上に、□ ぶ厚い肉の塊がジュージュー音を立てているんですけど。■ <隆也> 「コレが朝食?」■ <非> と、控え目に尋ねてみた。■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「そっ、朝食。ねえ店長」■ キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「そうだとも。沢山食べてモリモリ元気ーっ!□  この程度で胸焼けを起こしていたら、□  この先訪れるであろう猛暑は乗り切れないよ隆也くん」■ <非> なんで朝からこんなにテンションが高いんだ?□ 俺、急にソーメンが食べたくなってきたよ。■ あっでも、□ だけどこのガーリックの臭いは食欲をそそるなあ。■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「躊躇してないで早く食べなさいよ。□  冷めたら美味しくないわよ」■ <隆也> 「早苗くん。それは誤解だ。□  私の料理は冷めても美味しいんだよ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「もちろん分かってますよ店長。□  でも暖かいほうがやっぱり美味しいですよね」■ キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「マイガッ! 確かにその通りだ。□  さあ大志ある青年。いや隆也くん。□  ぱくっと、いっちゃってくださいよー」■ <隆也> 「わかりました。食べますよ」■ <非> 俺はフォークとナイフを手にとり、□ 肉を切って口に入れた。■ <隆也> 「う、美味えええ!」■ <非> 硬すぎず柔らかすぎず、□ ちょうど良い弾力を持つ肉の歯ざわり。□ それでいて舌に広がる肉汁のジューシーなこと。■ これが800円? 嘘だろ?□ ディナーで出てきたら8千円とか取られそうだけど、□ 採算とれてんの?■ <隆也> 「冗談抜きで美味いです。□  見た目よりしつこくないし、□  胃の中に、するするって入って行きますよ」■ キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「イヤッハッハ、気に入ってくれたようでなにより。□  隆也くんさえよかったら、□  私のご自慢の一品を例の器官に入れてみないかい?」■ <隆也> 「ご自慢の一品、ですか?」■ キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「そうとも! こいつで直腸をシェイクするんだ!□  シェイクダン! シェイクダン!」■ <非> 誰もいないことをいいことに、□ 店長はテーブルの前で激しく腰を振り始めた。■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「あはは。店長やめてくださいよー□  変態丸出しですよ」■ <非> 能天気に笑う早苗ちゃん。□ 店長の言葉の意味が分かって言ってるのか?□ だとしたら酷い。■ <隆也> 「ば、ばかっ! 笑い事じゃねえ。□  俺の貞操の危機じゃねえかっ!」■ キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「大丈夫! 痛くしないよー」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「痛くしないってよ。やってもらったら?」■ <隆也> 「じょ、冗談じゃない!□  なんなんだこの店は。もう来ないぞ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「ちぇっ、つまんないの。□  店長。悪ふざけはおしまいです。□  隆也が来店しなくなったら困りますから」■ キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「おっといけない。確かにその通りですねー。□  無理強いはいけない。でも隆也くーん。□  その気になったならば、いつでもカマンッ!」■ キャラ消去(店長) <非> 店長はそれだけいうと厨房に戻っていった。■ …………■ ……■ …■ <隆也> 「客をいじって楽しいか?」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「うん。とっても!□  でも勘違いしないでね。□  こんなことできるのは隆也だけだよ。■  他のお客さんには□  こんな失礼なこと、とてもできないから」■ <隆也> 「それは俺が舐められてるということかな?」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「そうじゃないわよ。愛されてるのよ。□  うふふ」■ <隆也> 「嘘付け!」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「なによ。酷いじゃない。□  確かに嘘だけど、□  ちょっとは動揺とかしてもいいんじゃない?」■ <隆也> 「店長の件があったから、□  ちっとやそっとじゃ動じなくなっちまったよ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「あ、なるほど。□  でも店長は本気で隆也が気に入ったみたいよ」■ <隆也> 「志津江さんにもそれ言われたよ。□  おまえからも聞かされるとなると、□  俺の貞操は風前の灯火だな」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「あはは、でも店長は確かにあんなだけど、□  無理矢理するのは嫌いみたい。ポリシーに反するとか。□  だから安心していいわよ」■ <隆也> 「そんなことで安心したくねえよ」■ キャラ表示(早苗,00,00) <早苗> 「でも無理矢理やられたら。隆也秒殺じゃない」■ <隆也> 「ううっ!」■ <非> 初日の関節技が脳裏によぎる。□ もし店長が手加減なく襲ってきたら、□ 俺に抗う術はないだろう。■ 背筋に悪寒が走る。□ 夏だというのにヤケに涼しいぜ。■ まだまだ油断はできない。□ 母さん。東京は色んな意味で怖いです。■ キャラ消去(早苗) // 画面フェードアウト //---------------------------------------------------