//------------------------------------------------------------------------------ // 8月2日 <二日目> // // rev.0.1 2006/01/12 たなか // rev.0.2 2006/01/12 ししゃも // //------------------------------------------------------------------------------ //------------------------------------------------- // 2-1 自宅 (独白) //------------------------------------------------- //背景:自宅 //BGM:隆也のテーマ曲 //SE:車のクラクション 外から聞こえる下品なクラクションの音で目が覚める。□ ……うるせえなぁ。■ あ、ひょっとして荒巻か?■ ばばっと飛び起き、慌てて玄関を開けて確認してみる。□ トラックは……あれ、まだ来ていない。□ 代わりにあるのはヤンキー車。朝から迷惑なんだよっ。■ そもそも今、何時くらいなの?■ 携帯で時間を確認してみるとまだまだ早朝で、□ 公園に行けば小学生が元気に□ ラジオ体操とかやってるような時間だぞ。■ 昨日は疲れてたからワリと早く寝たんだけど、□ そのせいかな?■ ふぁぁぁ、と長いアクビ。□ ……二度寝するにも、すっかり目がさめちまった。■ 何もない部屋に居てもしょうがない。□ ご近所の散策がてら、外に出てみるか。■ //MAP画面へ //------------------------------------------------- // 2-2 歩道前 (里美) //------------------------------------------------- //背景:歩道 //BGM:隆也のテーマ曲 <非> 早朝の空気は多少澄んでいるような気がして、□ 思いっきり深呼吸をしてみる。□ ……うん、それでも黒板消しのニオイがする。■ 俺は昨日の不幸な事故を思い出し、□ なるだけ足元に注意して歩いていた。■ おっ、俺が踏んだつゆ草はまだ元気だぞ。□ 昨日はここで早苗ちゃんの妹に会ったんだよな。■ 確か、里美ちゃん?□ 多分間違ってないと思うが自信はない。■ 確かに姉妹だけあって、顔のつくりとか似てたな。□ 性格はまるで違っていたけど。□ まあ兄弟や姉妹の性格なんてそんなもんか。■ それにしても、思いっきり拒絶されたよなぁ。□ 早苗ちゃんがとりなしてくれると言ったけど、□ できれば自分で誤解を解きたいな。■ そんなことを考えながら、□ ふらっかふらっか歩いていると。■ いたよ!□ その里見ちゃんが目の前にいるじゃない。□ こんな朝早くから何やってるんだろ?■ 里美ちゃんが俺に気付いた様子はない。□ 気付いてたら確実に逃げるもんな。□ 悲しいけど。これが現実。■ 里美ちゃんは、□ 紙袋からなにか取り出して蒔いているようだ。□ 肥料? それにしては少ないな。■ 何も生えてない場所に肥料を蒔いても□ 仕方ない気がするんだけども。■ うーん、気になる。□ 思い切って声をかけてみるか?□ 逃げられたら……。まあその時はその時さ。■ <隆也> 「おはよう、今日もいい天気だね」■ キャラ表示(里美,25,04) <里美> 「えっ?」■ <非> ビクッ! と肩を震わせて振り返る里美ちゃん。□ 驚き方が尋常じゃない。□ たぶん逃げちゃうんだろうな。■ キャラ表示(里美,25,04) <里美> 「えっ、あっ、お、おはようございます」■ <非> なに? 予想外の展開。□ いやいや嬉しい展開だから問題なし!■ <隆也> 「どーも、昨日は本当にごめんね」■ キャラ表示(里美,05,06) <里美> 「お、お姉ちゃんから聞きました。□  昨日はストーカーと勘違いして、□  ご、ごめんなさい」■ <隆也> 「いいっていいって。□  ところで里美ちゃん、なに蒔いてたの?」■ キャラ表示(里美,25,04) <里美> 「え! あのっ、見てたんですか?」■ <隆也> 「うん」■ キャラ表示(里美,25,08) <非> おや、恥ずかしそうにうつむいてしまったぞ。□ 聞かないほうが良かったかもな。■ <隆也> 「あ……ごめん。何かマズいこと聞いちゃった?」■ キャラ表示(里美,25,04) <里美> 「いえっ、そういうわけじゃ。□  種を、その、蒔いていたんです」■ <隆也> 「種?」■ キャラ表示(里美,05,06) <里美> 「はい」■ <隆也> 「種って花の種とかそういうの?」■ キャラ表示(里美,05,00) <里美> 「はい、その種です」■ <隆也> 「どうして?」■ <非> そう、どうして種なんか蒔いているのか。□ それも道端で。■ キャラ表示(里美,25,05) <里美> 「それは……」■ <非> もごもごもご、と言葉をにごす彼女。□ ハタから見たら、俺がいじめているように見えるよな。■ <隆也> 「ごめん。なんか困らせちゃったみたいだね」■ キャラ表示(里美,25,08) <里美> 「いえ、別に。□  ただちょっと理由があって言えないんです」■ <隆也> 「んーと、願かけみたいなもの?」■ <非> その問いに、里美ちゃんはこくりと頷く。■ なるほど。□ 理由はわからないけどきっと里美ちゃんにとっては□ 大切なことなんだろう。■ これ以上の詮索はヤボってやつかな。□ 話を変えてみよう。■ <隆也> 「花かあ……うん、俺も好きだな」■ キャラ表示(里美,05,00) <里美> 「何の、花ですか?」■ <非> お、俺の話に食いついてきたぞ!■ <隆也> 「名前が出てこないんだけど、赤い花で。□  花びらを引っ張ると蜜がついているやつなんだけどね」■ キャラ表示(里美,05,00) <里美> 「サルビア、です」■ <隆也> 「そうそうサルビア!□  花壇中のサルビアの蜜をちゅーって□  吸い尽くしたよな。小学校の時か、懐かしいな」■ キャラ表示(里美,25,05) <里美> 「……」■ <非> なんか冷たい視線で見られてるんだけども?□ ま、まずかった? 地雷踏んだ?■ キャラ表示(里美,05,00) <里美> 「あの、わたし、帰らないと」■ <隆也> 「ごめんごめん。□  別に引き止めるつもりはなかったんだよ」■  あと、ちょくちょく、しぇいむ☆おんに□  行くと思うけど、そのときはよろしくね」■ キャラ表示(里美,05,06) <里美> 「あ、はい。よろしくお願いします」■ <非> 里美ちゃんはぺこりとお辞儀をすると、□ パタパタと駆けて行った。■ キャラ消去(里美) 俺という人間が苦手なのか、男性が苦手なのか。□ 後者だと思いたいんだけど、やっぱ避けられてる?□ かるーく、ショックだよな。■ おっと、もうこんな時間か。□ 一度家に戻るとするか。■ //MAP画面へ //------------------------------------------------- // 2-3 自宅内(可奈・荒巻) //------------------------------------------------- //背景:自宅内 //BGM:日常の曲 <非> お引越しなら、□ いつもニコニコあらまき引越しセンターへ!■ 今ならメシ代さえ出せば、□ 他の費用はいっさいかかりません!■ 線目でボーッとしがちな、□ 何を考えてんのかイマイチわからない男の子が□ 懇切丁寧にお手伝いします!■ さあ、いますぐお電話を!■ ……お電話を、っと。■ //SE:電話の呼び出し音 アイツの携帯にてれてれテレホン。□ 1コール、2コール……運転中か?■ //SE:電話の呼び出し音 念のためと思って電話したけど、□ そんな心配は必要なかったか?■ //SE:電話の呼び出し音 9コール、10コールと相変わらずな電子音が流れ、□ あきらめて切ろうとした時。□ 電話先から、やけに間延びした声が聞こえてきた。■ <荒巻> 「もしー、もしー……」■ <隆也> 「あ、俺だオレ」■ <荒巻> 「あー、すー……」■ <隆也> 「こらっ、寝るなっ!□  念のために電話してみたんだけど。□  ひょっとしてこれ、モーニングコールか?」■ <荒巻> 「ぐー……」■ <隆也> 「こらぁーっ!ねるなーっ!□  今日はトラックで手伝ってくれんだろ?」■ <荒巻> 「なんだよ隆也ー、□  まだふつーの人は寝てる時間だよ?」■ <隆也> 「お前は寝てる時間かもしれんが、□  ふつーの人は起きてる時間だっ!」■ <隆也> 「お前のことだから、忘れていそうで」■ <荒巻> 「あー、だいじょうぶー。□  ちゃんとトラック借りてきたから、□  荷物もっていくねー」■ 「もう一眠りしたら、ちゃんといくよー」■ <隆也> 「ばかっ!□  お前の一眠りを待っていたら、□  リアルに日が暮れるんだよ!」■ 「今までもどれだけ、□  すっぽかされたことか……」■ <荒巻> 「ぐー……」■ <隆也> 「うおーいっ!□  あらまき引越しセンターさんっ!」■ <荒巻> 「あ、いけないー。□  ちゃんと起きなきゃ」■ <隆也> 「……いきなり目が覚めたな」■ <荒巻> 「隆也の用事は遅れてもいいけどー、□  待ち合わせは時間通りにいかないとねー」■ <隆也> 「なんだそれは。□  俺は随分とないがしろにされてんだけど。□  ……っつーか、待ち合わせ?」■ <荒巻> 「うんー。□  じゃあ、これからそっちに行くからねー。□  じゃあねぇー」■ <非> ぶつん、と一方的に切られる。□ ……まったく、相変わらずワケのわからん奴だ。■ サークル仲間であり学部もおんなじ荒巻は、□ 基本的にはいい奴だ。□ こうして引越しも手伝ってくれるしな。■ ただ、唯一の欠点というか、□ 重大な欠点がひとつ。■ いつでも、どこでも寝るって事。■ 気付けば寝ている。■ どこでも寝ている。■ 昼でも寝ている。□ 夜もやっぱり寝ている。□ 朝もあの体たらく。■ いつ起きてんだ?というくらいに寝ている。■ でも不思議と、授業内容は理解してんだよな……□ すいみん学習ってやつ?■ <荒巻> 『11月11日って、鮭の日なんだよー。□  ほら、十一十一をタテに書くと、圭になるでしょー?』■ <非> そしてたまに、どうでもいい知識を披露する。□ その度オレはとまどう。苦笑してしまう。■ 半年つきあっているけど、□ まだまだ底の見えない不思議なやつ。□ それが荒巻。■ ……ふぁぁ、と大きなあくび。□ 荒巻と話してたら、俺まで眠くなってきた。■ あいつが来るまで、ちょっと眠るか……□ 来りゃ、起こしてくれんだろ。■ ぐうぅ……■ //背景:非表示(黒フェード) ………■ ……■ …■ //SE:ドアノック音 こん。■ //SE:ドアノック音 こんこん。■ //SE:ドアノック音 こんこんこん。■ 扉をたたく音が、□ 俺を眠りの世界から戻そうとする。□ ああ、そろそろ来る時間だもんな。■ //背景:自宅玄関 まだ目が覚めきってなく、□ 頭にモヤがかかった状態で□ キーロックを外す、ドアを開ける。■ //SE:ドア開ける音 //BGM:可奈のテーマ曲 //キャラ表示(可奈,05,06) <女の子>//可奈 「……」■ <隆也> 「わりぃわりぃ、ちょっと寝てた。□  オマエの事、怒れねぇよなあ」■ <女の子>//可奈 「……」■ <非> あれ?■ 荒巻って、髪の毛そめてたっけ?■ 目だってこんなにパッチリ開いているし、□ そもそも体にくびれがあるんだけど。■ ボーン、きゅっ、ぼーんって感じで□ 体が妙に自己主張してんですけど。■ そう、やけに女の子らしい体つきで……■ あれ?■ ひょっとして、ひょっとしなくても。□ 荒巻じゃなくて、この子は……■ <女の子>//可奈 「お、おはよう」■ <隆也> 「……あ、おはよう、飯島さん」■ //キャラ表示(可奈,15,05) <飯島> 「……」■ <非> ほら、やっぱりムッとしてる。□ いつもそうなんだこの子は。■ 俺は挨拶するだけなのに、いっつも機嫌が悪そうで。□ オレ何かやらかしたっけ?といつも考える。■ あれ?□ 今日三回目の疑問。■ 違うんだ。□ 俺はもっともっと、□ 根本的なことを考えないといけないんじゃないか?■ //キャラ表示(荒巻,00,00) <荒巻> 「おはよー、たかやー」■ <隆也> 「……あらまき引越しセンターさん、毎度どうも」■ <荒巻> 「まいどー」■ <隆也> 「オマエに一つ聞きたいことがある」■ <荒巻> 「なになに、なーにー」■ <非> ぐおいっ!□ と間抜けな返事をするこいつにヘッドロック。□ ずるずるずる、と部屋内にひき込む。■ //キャラ表示(可奈,16,04) //キャラ表示(荒巻,00,05) <荒巻> 「いたい、いたいよー」■ <隆也> 「な、なんでここに飯島さんがいるんだ?」■ //キャラ表示(荒巻,00,00) <荒巻> 「あー、それねー」■ 「それはねー、□  海よりも山よりも陸よりも□  深い理由があってねー」■ <隆也> 「例えがヘンなのは、とりあえず置いておく。□  なんだその理由は」■ <荒巻> 「その、理由はねー」■ <隆也> 「おう」■ //キャラ表示(可奈,05,06) <飯島> 「……」■ <荒巻> 「あははー、わすれちゃったー」■ //キャラ表示(可奈,05,00) <隆也> 「マジで勘弁してくれよ、□  そこまで引っ張っといて」■ <荒巻> 「まあまあまあ、それよりもー。□  引っ越し引っ越しー!」■ 「荒巻ひっこしセンターの社長の僕と、□  副社長の可奈ちゃんが頑張るからねー」■ <隆也> 「あ、飯島さん手伝ってくれるんだ」■ //キャラ表示(可奈,15,07) <飯島> 「し、仕方なくね」■ <隆也> 「はは……」■ <非> そりゃそうだ。聞くまでもないだろう。■ でも、仕方なくでも手伝ってくれるのは、□ 嬉しいよな……■ サークル仲間同士、□ 仲良くしていこうって感じなのかな。■ ……そのわりには、機嫌が悪そうだけど。■ <荒巻> 「じゃあ、荷物を運ぼうよー。□  僕と隆也で持ってくるから、□  可奈(かな)ちゃんは中の荷物を整理してねー」■ 「適当に部屋に置いていっていいからさー、□  おねがいするねー」■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「うん、わかったわ」■ <隆也> 「おいおい、俺のプライベートとか□  部屋の配置プランとか、お構いなしか?」■ <荒巻> 「あれ?□  そういうの気にしたり、□  そういうの考えていたのー?」■ <隆也> 「……まあ、寝る場所くらいは。□  ほら、北マクラって気にするだろ?」■ <荒巻> 「気にしないよー、□  僕は布団さえあれば、どこでもいいよー」■ <隆也> 「あー、俺も。□  ただ北マクラって言ってみたかった」■ //キャラ表示(荒巻,00,03) <荒巻> 「あははー、そんな事だろうと思ってたよー」■ //キャラ表示(荒巻,00,00) 「荷物の整理は、女の子に任せるのが一番だよー。□  力仕事はタイヘンだろうし」■ 「荷物運びだって、あのくらいの量なら□  二人でがんばれば楽勝だよー」■ <隆也> 「……おい、すばらしい仕切りだな。□  ちょっとお前のこと見直したぞ。□  ホレていい?」■ //キャラ表示(荒巻,00,03) <荒巻> 「あははー、そんな趣味はないよー」■ //キャラ表示(荒巻,00,00) <隆也> 「それじゃあ飯島さん、整理の方よろしくね」■ <非> 俺はできうる限りの笑顔を、飯島さんに向ける。□ この想い、キミにとどけっ!■ //キャラ表示(可奈,15,07) <飯島> 「……わかったわ」■ <非> ほらほら、機嫌が悪い。□ 荒巻と話してた時は笑顔も見せてたのによー。□ 完全に嫌われてますな……ははは、はぁ(ため息)■ と、とりあえず解散っ!■ 泣きそうにながらも勢い良く扉を開けて、□ トラックにダッシュする。■ //SE:走る音 <荒巻> 「あ、まってよ隆也ー」■ //キャラ消去(荒巻) //キャラ表示(可奈,15,08) <飯島> 「……はぁ」■ <非> 金色の髪を持つ青い目をした女の子は、□ どこか浮かない表情をしていて。■ 一人きりになってしまった部屋で□ 大きなおおきなため息をついていた事は、□ 誰も知らなかった。■ //キャラ消去(可奈) //画面効果:フェードアウト //BGM消去 ………■ ……■ …■ //背景:自宅内 //BGM:日常の曲 <隆也> 「……どっせいぃ!」■ //SE:物を落とす音(ドスン、という音) //キャラ表示(荒巻,00,05) <荒巻> 「ふうー、これで全部かなー?」■ <隆也> 「おう、なんか意外と早く終わったな」■ //キャラ表示(荒巻,00,03) <荒巻> 「あはは、日頃のバイトの成果がでたよー」■ //キャラ表示(荒巻,00,00) <隆也> 「うん、それは認める。□  すっげえ手つきよかったもんな」■ <荒巻> 「あはー。それじゃ、次は部屋の中だねー。□  可奈ちゃんありがとねー」■ <非> しかしコイツは、飯島さんと仲がいいよな。□ 今だって名前で呼んでるし。■ 俺なんか、いいじまさんっだぞ。□ しかも、言うたんびにムカつかれてるぞ。■ なんだ、なんだよこの差はよ……□ 俺も目を線みたいに細くして、□ 間延びした話し方すればいいのかよー。■ そんな飯島さん。□ 荷物を整理してる途中で、□ フリーズしているんですけど。■ あ……その箱は。■ //キャラ表示(可奈,15,02) //BGM:可奈のテーマ曲 <飯島> 「……これは、何かしら?」■ <非> 眉間にシワを寄せているのは飯島さんで。■ 手にしている本は、俺の秘蔵コレクションで。■ エロティックな女の子の裸の写真集。□ 略してエロ本。し、しまったー!■ ち、ちゃんとカモフラージュのため箱に、□ 「天地無用」とか「ワレモノ危険」とか□ 「危」とか「毒」とか書いておいたのにぃっ!■ ……すんません、洋モノばっかで。□ 金髪の写真集は、隠し事がキラいなんです。□ だから好きなんです。■ 飯島さんハーフだもんな、□ ぜってー気分悪いぞ。□ これ以上機嫌を悪くされたら、たまらない!■ <隆也> 「あの、それは……」■ //キャラ表示(荒巻,00,03) <荒巻> 「隆也は外国モノが好きなんだもんねー。□  金髪がスキなんだよー」■ //キャラ表示(荒巻,00,00) <隆也> 「解説するなぁっ!□  あ、あのね飯島さんっ」■ 「これはその、男の悲しいサガというやつで……」■ //キャラ表示(可奈,15,07) <飯島> 「とりあえず捨てるわね。□  学生には必要ないもの」■ <隆也> 「いや、学生とかそういうのは関係なくって……□  そ、そう!それは荒巻から借りてたやつでっ!」■ <非> すまん荒巻。□ お前の尊い犠牲は、いつまでも忘れないぞ。■ <荒巻> 「ちがうよ隆也ー。□  僕が引っ越し祝いであげるのは、□  こっちの箱に入ってるよー」■ <非> 謀反人、荒巻!□ 犠牲になるのは俺かよっ!■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「ええと、荒巻くん。□  くわしく聞かせてもらえるかしら?」■ <荒巻> 「うん、可奈ちゃん。これだよー」■ <隆也> 「ばか、ばか荒巻っ!」■ //キャラ表示(可奈,05,01) <飯島> 「はい、これも廃棄処分ね」■ <荒巻> 「あははー、残念だね隆也ー」■ <非> ちっとも残念そうに言ってないコイツ。■ //SE:殴る音 とりあえず、一発殴っておく。■ ああ……俺のコレクションが……■ //キャラ消去(可奈) //キャラ消去(荒巻) //背景:非表示(黒フェード) //BGM消去 ………■ ……■ …■ //背景:自宅内 //BGM:日常の曲 荒巻は『ちょっと休んでくるね』と言ったまま、□ ちっとも帰ってこない。■ アイツの事だからどっかで寝てるだろ。□ もう力仕事は終わったからいいんだけど。■ いいんだけど。■ ちょっと、良くないんだよ。■ //キャラ表示(可奈,15,05) 部屋にはオレと飯島さん。□ さっきの事件もあり、微妙な空気のまま。■ がさがさと荷物を整理する音。□ もくもくと手を動かす二人。■ ただ、それだけ。□ 素敵なことなんて、起こる気配もない。■ ……た、助けてくれぇっ、荒巻!■ //キャラ表示(可奈,05,00) //BGM:可奈のテーマ曲 <飯島> 「この教科書は、こっちでいいのかしら」■ <隆也> 「え、あ、う、うん!□  たまには勉強しないとね」■ <非> 不意に話しかけられて、キョドってしまう。■ //キャラ表示(可奈,05,01) <飯島> 「ふふ、たまには、なのね」■ <非> あ、なんかうけた?□ やわらかな微笑みを浮かべているぞ。■ いっつも機嫌がわるい感じだから、□ こういう表情がたまらなく嬉しいっ!■ ……ここは、そう。■ これをきっかけに、□ もっとフランクに話せるようにするぞっ。□ 今までは話しててもギクシャクしてたもんな。■ 何を話すか何を……そ、そうだ!■ <隆也> 「い、いいじまさん?」■ //キャラ表示(可奈,15,07) <非> ほら、不機嫌になっちゃった。□ それでもこのチャンスを逃してたまるかっ。□ かまわず続けるぞ。■ <隆也> 「な、なんで、□  俺の引っ越しを手伝うことになったの?□  やっぱり荒巻のせい?」■ //キャラ表示(可奈,05,06) <飯島> 「そ、そ、そうそう!□  あ、荒巻くんにたのまれちゃって」■ 「ひ、引っ越しって、力仕事じゃないっ!□  だから、わたしに手伝ってほしいって、それで……」■ <非> やっぱりアイツか。■ つーか力仕事だってのに、□ なんで飯島さんをチョイスしたのか。■ でも感謝はしないと。□ こうして会話できてるわけだし、整理もしてくれたし。□ ぐっじょぶ、荒巻。■ ……飯島さん、きれーだなぁー。■ こういう子を彼女に持ったらもう□ 一日中ベタベタなんだろうなぁー。■ 彼氏になる人がうらやましいぞ、かなり。■ 誰かと付きあっているのかな?□ いるんだろうな、やっぱり。□ こんなキレーな人、周りがほっとくわけがない。■ //キャラ表示(可奈,16,04) <飯島> 「こ、これは……」■ <非> 本を整理してくれている飯島さん。□ 一冊の本を手にしたまま、フリーズしている。■ ま、またか?□ また出てきたのか、俺のコレクションが!■ これ以上、タカヤ株を下げるのはまずいっ!■ <隆也> 「そ、それはね飯島さん。□  そう!やっぱり荒巻のヤツがね……」■ <非> 悪い荒巻。□ もうお前しか頼めないんだ。■ //キャラ表示(可奈,15,08) ぺら、ぺらり、とページをめくる音。□ 飯島さん読んでるし……あぁぁ。■ やけに真剣な顔なんですけど……■ しかもなんか、今にも泣き出しそうな、□ 悲しそうな表情なんですけど……■ とうとう、サジを投げられたのか俺は。□ 不名誉な女泣かせの称号をいただいてしまうのか。■ とりあえず何の本かを確認してみると……□ あれ、エロ本じゃない。■ うさぎやタヌキやカエルやへび。□ そして、おおっきなクマ。■ カラフルな色使いで描かれた絵はまるで、□ 小さな子供が読んでいるような本で。■ ……いやそれ、まるっきり小さな子用だ。□ 絵本じゃないかよ。■ <隆也> 「それは……えーと、なんだっけ」■ //キャラ表示(可奈,15,07) <飯島> 「……『くまさんと うさぎさん』よ」■ <隆也> 「そ、そうそうそう!□  なんでこの本あるんだろ……」■ //キャラ表示(可奈,15,08) <飯島> 「……」■ <隆也> 「実家から持ってきちゃったんだよね、なぜか。□  なんか捨てられなくてさぁ、□  あは、あはははは……」■ <非> カラ元気をフル稼働させて笑う笑う俺。■ それでも飯島さんの表情は変わらずにいる。□ ゆっくりと、ページをめくる。■ あは、あはははと悲しい笑い声は部屋に響いて。■ お、俺もう限界!□ タカヤ株大暴落に耐え切れないっ!■ <隆也> 「あ、あの俺、飲むもの買ってくるっ!□  ほら、飯島さんこんなに頑張ってくれたのに□  何にも出さないのは失礼だしっ!」■ <非> ばっと財布を手にして、ばばっと玄関に向かう。□ だっとドアを開け、だだっと自販機を探す。■ 俺は思わず、涙目になっていた。■ 部屋に一人残された女の子は、□ 絵本を読み終えて、奥付と見返しを見て……■ //キャラ表示(可奈,15,09) ふふ、と微笑んだ後、涙目になっていた。■ //キャラ消去(可奈) //背景:非表示(黒フェード) //BGM消去 //------------------------------------------------- // 2-4 家の外 //------------------------------------------------- //背景:自宅前外観 //BGM:日常の曲 あれ?□ このへん、自販機ないのかよ。■ 東京ならそこかしこにあるもんだろよっ!■ コンビニ探すのもめんどいしなぁ……□ まだよく地理わからないし。■ そうだ!□ しぇいむおんが、あるじゃんか。■ 店員に多少問題があっても、□ あそこのコーヒーは美味いもんな。■ 最近はお持ち帰りのできる喫茶店ってあるし。□ 聞いてみようかな?■ うっし、んじゃ行ってみるか!■ //背景:非表示(黒フェード) //MAP画面へ //------------------------------------------------- // 2-5 喫茶店内(典乃) //------------------------------------------------- //背景:喫茶店前 さて、今日もやってきましたしぇいむ☆おん。□ 早苗ちゃんと里美ちゃんはいるかなっと……■ //SE:ドアベルの音 //背景:喫茶店内 //BGM:典乃のテーマ曲 //キャラ表示(典乃,10,03) <店員> 「あ、えっと、いらっしゃいませっ!」■ <非> あれ、昨日の二人と違う子が出迎えてくれたぞ。□ ちっさくて元気いっぱいな子だ。□ 束ねられた髪がぴょこぴょこと揺れている。■ <隆也> 「あの、コーヒーを頼みたいんですけど」■ //キャラ表示(典乃,00,00) <店員> 「え、えっと、はい。□  それでは、どこかの席におすわりくださいっ」■ <非> やけにぎこちないしゃべり方だ。□ バイト始めたばっかりっぽいんだけど。■ <隆也> 「ここで飲むんじゃないです。□  テイクアウトしたいんですけど、できますか?」■ //キャラ表示(典乃,10,05) <店員> 「え、え、えーっと。□  ちょっとよくわからないんで、店長にきいてきます」■ //キャラ消去(典乃) //SE:走る音 <非> ばたばたばたと厨房にかけていく、ちんまい店員。□ やたらと、せわしない子だよなあ。お、戻ってきた。■ //キャラ表示(典乃,10,14) <店員> 「店長にきいてみたら、紙容器でよければだいじょうぶ、□  とのことでしたっ!どうしますか?」■ <隆也> 「あ、はい。それじゃアイスコーヒー三つで」■ //キャラ表示(典乃,10,03) <店員> 「かしこまりましたっ!」■ //キャラ消去(典乃) //SE:走る音 <非> 再びぱたぱたぱたっと駆けていく、ちびっこ店員。□ と、ここで背後の気配に気がつく。■ ふっと振り返ってみると……■ //キャラ表示(店長,00,03) //SE:ドーン、という音 <店長> 「かしこまりましたよー、隆也くーん」■ <隆也> 「うあっ!店長、おどろかせないでくださいよっ」■ <非> このグラサン店長、いつの間に背後に!□ コック帽からはみでたアフロが、□ もっさもさと動いている。■ <店長> 「今日も来てくれるとは、うれしいかぎりだーよ!□  私の愛情もたーっぷり注いでおくからね!□  はーっはっはっ!」■ <隆也> 「あの、ふつーのコーヒーでいいですから」■ //キャラ表示(典乃,11,07) //SE:走る音 <店員> 「てんちょっ!こっちにいたんですか。□  アイスコーヒーみっつ、おねがいしますっ」■ //キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「りょうーかいっ。さあ張り切ってつくるよーっ!」■ //キャラ消去(店長) //キャラ表示(典乃,10,05) <店員> 「もう、すぐどっかにいっちゃうんだから……」■ <非> ぼそっと独り言をつぶやいている店員。□ 苦労が多そうだな、と同情の視線を送る俺。■ その時ちょうど目が合う。□ 店員はえへへへ、と人なつっこい笑顔を向けてくる。■ //キャラ表示(典乃,00,01) <店員> 「あは、おもしろい店長ですよね」■ <隆也> 「あ、ああ……たしかにね。□  えっとキミ、バイト始めたばっかなの?」■ //キャラ表示(典乃,10,03) <店員> 「はいっ!□  ちょうどあなたが、さいしょのお客さまですっ!」■ <隆也> 「なるほどね、どうりでぎこちないと思った」■ //キャラ表示(典乃,10,05) <店員> 「ぎこちないですか?うう〜。□  なんかキンチョーしちゃって」■ <非> たはは、と少しだけ困った顔をする女の子。□ ころころ表情の変わる子だな。■ <隆也> 「俺、近所に住んでるから、□  これからもちょくちょく来ると思う。□  よろしく、えーっと……ノリノ、ちゃん」■ <非> 『木野村 典乃』と書かれた名札を見ながらしゃべる俺。□ あれ、眉の端がピクリと動いたけども。■ //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「……ノリノ、って誰です?」■ <隆也> 「え? でも名札には書いてあるけれども……?」■ //キャラ表示(典乃,00,00) <典乃> 「あの、読み方、ちがいますよ?」■ <非> 女の子はやんわりと否定しているけれども、□ 明らかにムッとしている。■ <隆也> 「あ、ごめんごめん。えーっと、ノリ……ナ?」■ //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「あの、ちがいます」■ <非> 眉間にしわを寄せて、語気に力を込められる。□ いかんいかん、ドツボにはまっているぞ。□ なんとかしないと……■ <隆也> 「ごめんごめん。えぇーっと、ノリ……ユキ?」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「ちがうちがうっ!□  しかもノリユキなんて男の子の名前だしっ!」■ <非> ドツボにはまってどっぴんしゃん。■ 火に油どころか、□ ガソリンを10リッターくらい注いでしまったようだ。□ むちゃくちゃ怒ってるんですけど?■ <隆也> 「あーなるほど。なかなか面白い……」■ //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「面白い? おもしろいってどーゆーイミなのっ?」■ <隆也> 「いや、いやいや、怒らないで。なんつーか、こう……」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「どうせヘンな名前とか思ってるんでしょうっ!□  男の子みたいな読み方するしっ!□  えーっと、そーいうキミの名前はなんなのさ?」■ <隆也> 「た、タカヤ。内藤 隆也」■ //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「じゃあ、タカヤが、タカユキって呼ばれたら怒るでしょ?□  タカコってよばれたらおこるでしょっ?」■ <非> おいおい、いきなり呼び捨てかよ。早苗ちゃんと同じかよ。□ 確かに名前を間違えたのは悪かったけどさ。■ <隆也> 「まあ、そりゃあ怒るよ」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「そりゃ、ボクだって怒るわけだって!□  そんな男の子みたいな読まれ方されればっ!□  キミがはじめてだよ、そんな読み方したのっ!」■ <隆也> 「あ……ご、ごめ」■ <非> 謝ろうと口を開くも、怒り大爆発中の彼女に阻止される。■ //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「読めない人はけっこういるけど、□  そんなにピントずれてなかったんだよ?」■ 「それを、そんなノリユキとかノリノリとか□  ノリヒロとかノリスケとか……」■ <非> いや言ってないのも混ざってるんだけど。□ うわすっげーおこってらっしゃる。■ //キャラ表示(店長,00,00) <店長> 「はーい!隆也くんへの愛情たーっぷり注入!□  特製アイスコーヒーはいりましたー!」■ <非> このさい細かいとこはムシして。□ 会計済ませて、とっとと逃げた方がいいな。■ <隆也> 「そ、それじゃここにお金おいときますんで。□  ごめんね、ノリノちゃん」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「あーーっ!またまちがえてっ!」■ <非> あ、またやってしまったっ!■ <隆也> 「ご、ごめん。それじゃっ!」■ //SE:走る音 //SE:ドアベルの音 //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「あっ、こらまてタカヤっ!」■ //キャラ消去(店長) //キャラ消去(典乃) //背景:非表示(黒フェード) //MAP画面へ //------------------------------------------------- // 2-6 自宅内 //------------------------------------------------- //背景:自宅内 //BGM:可奈のテーマ曲 //SE:ドアを開ける音 <隆也> 「はあはあ、ただいま」■ //キャラ表示(可奈,05,06) <飯島> 「お、おかえりなさい」■ <非> おお、飯島さんが出迎えてくれたぞ!□ これだけでも苦労して買ってきた□ 甲斐があるってものだ。■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「その紙袋……しぇいむおん?」■ <隆也> 「そ、そうそう!□  すぐそこに喫茶店があってね、□  コーヒーのおいしい店でさ」■ //キャラ表示(可奈,05,01) <飯島> 「ふふ、変わった名前ね」■ <隆也> 「まあね。変わった名前……かもね」■ <非> 変わった名前と言われて。□ さっきまでの騒動を思い出してしまう。■ 店員にむちゃくちゃ怒られたよな……□ なんだあの喫茶店は。俺と相性が悪いのかな?■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「どうかしたの?」■ <隆也> 「な、なんでもない」■ //キャラ表示(可奈,05,01) <飯島> 「でも喫茶店から買ってくるなんて、□  けっこうしたんじゃないの?」■ <隆也> 「あ、お金?□  大丈夫、そのへんはけっこう良心的な店でさ……あれ」■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「なにポケットをごそごそしてるの?」■ <隆也> 「あれ、あれれ……さ、さいふが、ない」■ //キャラ表示(可奈,15,02) <飯島> 「なによそれ。□  お金はちゃんと払ってきたんでしょ」■ <隆也> 「うん、払ったんだけど……□  そこから、どうしたっけ」■ <非> あれ?■ ひょっとして、会話つながってる?□ つながってるよ、みんなっ!■ ちょっと間を空けたのが良かったのか?□ 表情だって笑ってるし。■ 嬉しさを隠しながらも、今の問題はサイフだ。□ 落ちつけ……記憶を手繰り寄せるんだ。■ <隆也> 「えーっと、ちんまい店員がいて。□  話をしたら気に障ったらしくて、怒り始めて。■   「ガーっていろいろ言われて。□  で、店長がコーヒーできたよって言って」■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「うんうん」■ <隆也> 「あわててお金を出して。この時サイフを出して。□  そして……あ、そん時だ。□  カウンターに置いたまんまだ」■ //キャラ表示(可奈,15,02) <飯島> 「なんだ、隆也……くんの不注意じゃないの」■ <隆也> 「うん、その通り。はっはっは……はぁ。□  取りにいってくるね」■ //SE:ドアチャイムの音 <非> その時、玄関先でチャイムの鳴る音。□ 同時に元気いっぱいすぎる声が聞こえてくる。■ <女の子の声> 「ごめんください、ごめんくださーい」■ <非> あれこの声、さっき聞いたような。■ <隆也> 「ちょっと待ってくださーい、今開けます……」■ //------------------------------------------------- // 2-7 自宅玄関 //------------------------------------------------- //キャラ消去(可奈) //背景:玄関前 //SE:ドアを開ける音 //キャラ表示(典乃,00,00) 「……あれ、さっきの」■ <典乃> 「うん、たしかにタカヤの家だ。この地図あってる」■ <隆也> 「うわ、家までおっかけてきたのかよっ」■ //キャラ表示(典乃,10,05) <典乃> 「なにいってんの?□  あのさ、ボクがなんで来たか、わかる?」■ <隆也> 「……なんとなく」■ //キャラ表示(典乃,00,00) <典乃> 「だったら話は早いや。ほい、わすれもの」■ <非> 典乃は財布をほいっと投げる。□ ほわっと受け取る俺。■ //キャラ表示(典乃,00,01) <典乃> 「中にタカヤんちの地図はいってたから、□  店長にいってこいって」■ <隆也> 「はは、わるいな。仕事中に」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「仕事中だからきたの!□  好きこのんでなんかこないって」■ <非> ぷんすか、と頬をふくらませながら言われてしまう。■ <隆也> 「はは……おっしゃるとおりで」□  ちょっと寄ってくか?」■ //キャラ表示(典乃,00,00) <典乃> 「ううん。道くさたべてたら、店長におこられるもん。□  そうそう、店長からの伝言だよ」■ <隆也> 「え?」■ <非> こほん、と咳払いをする典乃。■ //キャラ表示(典乃,10,03) <典乃> 「私のあーいじょうをビンビンに□  かーんじてもらえたかな?□  だってさっ」■ <隆也> 「……声色まねなくていいから。□  いえ、感じなかったっすって伝えておいて」■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「……どうかしたの?」■ <隆也> 「うん、さっき言ってたしぇいむおんの店員」■ <飯島> 「あら、かわいらしい制服ね」■ //キャラ表示(典乃,10,06) <典乃> 「え、あ、あ……こんにちわっ!」■ <飯島> 「ふふ、こんにちわ」■ <隆也> 「サイフ届けにきてくれたんだ。名前が……」■ //キャラ表示(典乃,00,01) <典乃> 「あの、あの!ボク、□  木野村 典乃(きのむら てんの)□  っていいますっ!」■ //キャラ表示(典乃,00,00) 「いっぽん木の木にのはらの野、ムラの村にじてんの典。□  あとぐにゅぐにゅってかく乃で、□  キノムラテンノですっ!」■ //キャラ表示(典乃,11,03) 「とくぎは走ることですっ!□  この前、陸上でインターハイに出たんですよ」■ <隆也> 「お前、なにげにスゴイな」■ //キャラ表示(可奈,05,01) <飯島> 「よろしくね、典乃ちゃん。私は、  飯島 可奈(いいじま かな)っていうの」■ //キャラ表示(典乃,10,14) <典乃> 「あ、はいっ!よろしくおねがいしますっ!」■ //キャラ表示(可奈,05,00) <非> おいおい、二人とも何をよろしくおねがいするんだか。□ と、ここで典乃にわき腹をつつかれる。■ //キャラ表示(典乃,00,04) <典乃> 「ちょっとちょっとタカヤ。□  このキレーなひと、ひょっとして、□  タカヤのカノジョ?」■ <隆也> 「いや、残念ながらちがうぞ」■ //キャラ表示(典乃,00,00) <典乃> 「やっぱりね」■ <隆也> 「やっぱりって思うのかよ。□  ……まあ、そうかもしれんけど」■ //キャラ表示(典乃,10,14) <典乃> 「そりゃそうだって!□  こんなキレーな人としゃべったの、はじめてだよ。□  なんかね、ボクと住む世界がちがうってかんじ」■ //キャラ表示(可奈,05,01) <飯島> 「ふふ、ありがとね典乃ちゃん」■ //キャラ表示(典乃,00,00) <典乃> 「あの……すんごい、髪の毛キレーでいいですね。□  ボクの髪なんか赤っぽくて、気にいってないんです」■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「そんなことないわよ。典乃ちゃんの髪だって素敵よ。□  髪型も似合っているし」(可奈)■ //キャラ表示(典乃,10,06) <典乃> 「えへへ……あ、ありがとうございますっ!□  あと、あの、その……」■ <非> 典乃は自分の胸元を見て、可奈の胸元を見て。■ //キャラ表示(典乃,11,06) <典乃> 「ぼーんっ、てかんじで」■ <飯島> 「ぼーん?」■ //キャラ表示(典乃,10,06) <典乃> 「あ、いえなんでもないですっ!」■ <非> ……だいたい言いたいことはわかった。□ たしかに、ぼーんって感じだよな。■ //キャラ表示(典乃,00,01) <典乃> 「あの、ボク、すぐそこの□  しぇいむおんって喫茶店で働いてます!」■ //キャラ表示(典乃,10,03) 「ぜひ近くに来たら、よっていってくださいっ。□  はいぱーサービスしますから!」■ //キャラ表示(可奈,05,01) <飯島> 「うん、ありがとうね」■ <隆也> 「おう、ありがとうな」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「タカヤにはサービスしないもん。可奈さんだけだもん」■ <隆也> 「ちぇっ。俺なんか近所に住んでるんだし、□  もっと優遇してくれよ」■ //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「だからサイフ持ってきたじゃんか。□  ずいぶんユーグーしているつもりなんだけど?」■ <隆也> 「う、そのとおりだ」■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「ふふ、じゃあ遊びに行くね。□  会うのを楽しみにしてるわ」■ //キャラ表示(典乃,10,03) <典乃> 「は、はいっ!ボクも楽しみにしてますっ!」■ <隆也> 「オレも楽しみだな」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「タカヤは楽しみじゃないもん。名前まちがえたし」■ <隆也> 「だから、ゴメンって謝っているだろーが。□  えっと……」■ //選択肢 1 テン……ノ、だよな?(2-5-1)へ□ 2 ノリ……ユキだよな?(2-5-2)へ■ //選択肢開始 //選択肢( ・テン……ノ、だよな? ,#2-7-1) //選択肢( ・ノリ……ユキだよな? ,#2-7-2) //選択肢終了 //------------------------------------------------- // 2-7-1 テン……ノ、だよな? //------------------------------------------------- //#2-7-1 //キャラ表示(典乃,00,00) <典乃> 「そうそう!覚えたじゃん。えらいえらい」■ <隆也> 「お前、俺をバカにしてるだろ?」■ //キャラ表示(典乃,00,01) <典乃> 「バカになんかしてないよ?□  タカヤはバカだからそう思うんじゃないの?」■ //移動(#2-8) //------------------------------------------------- // 2-7-2 ノリ……ユキだよな? //------------------------------------------------- //#2-7-2 //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「だーからっっ!テ・ン・ノ!□  辞典の典にうにゅうにゅの乃!」■ <隆也> 「なんだその、うにゅうにゅってのは」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「いーの!□  ちょうどいいたとえが浮かばないんだからっ!□  うーっ!」■ <隆也> 「お前、バカだろ?」■ //キャラ表示(典乃,10,02) <典乃> 「サイフを忘れるタカヤに言われたくないやいっ。□  ばーかっ!」■ //移動(#2-8) //------------------------------------------------- // 2-8 自宅玄関(2-7の続き) //------------------------------------------------- #2-8 <隆也> 「ああ言えばこう言うやつだな」■ //キャラ表示(典乃,00,00) <典乃> 「あ、そろそろ戻らなきゃっ。□  可奈さん、おまちしてますねっ!□  タカヤのばーかー」■ //キャラ表示(可奈,05,01) <飯島> 「ふふっ、またね。お仕事がんばってね」■ <隆也> 「またね、ノリノちゃん」■ //キャラ表示(典乃,11,07) <典乃> 「うーっ!こんどあったとき、おぼえてろーっ!」■ //キャラ消去(典乃) //SE:ドアを開ける音 //SE:走る音 <非> ばたばたばたんっ!と勢いよく出て行く典乃。■ //キャラ表示(可奈,05,00) <飯島> 「とっても元気で、おもしろい子ね」■ <隆也> 「……おもしろすぎ、じゃないかな」■ <非> はは、と思わず苦笑する。□ 世の中って、広いな。いろんな人間がいるもんだ。■ 愛情たっぷりアイスコーヒーを飲みながら、□ ばたばたと遠ざかる足音を聞いていた。■ //キャラ消去(可奈) //背景:非表示(黒フェード) //------------------------------------------------- // <二日目終了> //-------------------------------------------------