なぜなにしぇいむ☆おん第三回

 「里美です。なぜなにしぇいむ☆おんが始まるよ!」

 「反響なんて全く無いのに、まだやるの?」

 「は、反響はあるよ。少しだけど……」

 「スタッフがお情けでレスしてるだけでしょ。少しは現実を直視しなさい」

 「そ、そんなことないもん」

 「……分かったわよ。そんな顔で見つめられたら、アタシが悪いみたいじゃない」

 「えへへ。ありがとお姉ちゃん」

 「で、今日はなんなの?」

 「えっとね。どんなコーヒーがあるんですか??って質問があるよ」

 「コーヒーの種類って意味?」

 「多分そうだと思う。どうなのお姉ちゃん」

 「ブレンドコーヒーのみ!以上おしまい!」

 「そ、そんなこと無いハズだよ。だって《しぇいむ☆おん》は喫茶店だよ?」

 「そうよ。だからブレンドコーヒーなのよ」

 「どういうこと?」

 「ブルーマウンテン、モカ、キリマンジャロなどの有名どころはもちろん、」

 「怪しいコーヒー豆を個人輸入して、店長がブレンドしているのよ」

 「えっとつまり……」

 「そう!しぇいむ☆おんオリジナルブレンドコーヒーってワケ。分かった?」

 「なるほど。だから日によって味が微妙に変わるんだ」

 「店長は常連さんの好みを把握していて、お客さんごとに味を微調整してるって話よ」

 「す、すごい。叔父さんってただの変態じゃなかったんだ!」

 「一応設定上は凄腕の料理人らしいから、それくらいは出来て当然なんじゃない?」

 「それはそうと、叔父さんって元々はわたしたちの義父って設定だったんだよね?」

 「ああ……、そういう時期もあったわねぇ」

 「どうして叔父さんってことになっちゃったの?」

 「さあ。シナリオの一人が、ありえねーって勝手に変えちゃったみたい。」

 「まあそれで特に支障はないけどね」

 「ふうん。でもある意味、叔父さんってことは血のつがなりができたってことだよね」

 「そうね。お母さんの弟だから、アタシたちは姪ってことになるわね。」

 「里美はイヤなの? 店長のこと嫌い?」

 「そっ、そんなことないよ! 叔父さんはお姉ちゃんの次くらいに大好きだよ」

 「アタシが一番なんだ? ウフフありがと。さて、今日はこんなところでいい?」

 「うん。昨日はちょっと遅い時間だったし、長すぎたから。今日は眠いの」

 「そうね。あ!そうそう、明日の日曜日は、このコーナーはお休みだから」

 「でもひょっとしたら、飯島さんや栗原さん、木野村さんとかが来てくれるかも」

 「苗字じゃわかりにくいし、名前でいいのよ。可奈さんと美幸ちゃんと典乃ちゃん、ね。」

 「で、でも名前で呼ぶのってちょっと抵抗あるし、みんな年上だし……」

 「そのうちゲストとして典乃ちゃんたちが来たときとか、ちゃんと話せるの?」

 「えっと。よくわからない。無理かも」

 「本当に人見知りが激しいわね里美は。それでいて内弁慶なんだから」

 「そっ、それくらい自分でも分かってるよ。」

 「だから治そうと思って、しぇいむ☆おんを手伝っているんだよ!」

 「あ、ゴメン。責めているわけじゃないのよ」

 「ううん。こっちこそごめんなさい。ちょっとムキになっちゃった」

 「いいわよ。全然気にしてないわ。それよりも早く寝ましょう」

 「そうだね。ねえお姉ちゃん」

 「なに?」

 「一緒に寝てもいい?」

 「えっ? ま、まあ別に構わないけど。突然どうしたの?」

 「別になんでも。今日は寒いからそう思っただけなの」

 「そうなの? でも随分と久しぶりよね。一緒に寝るなんて」

 「どれくらいぶりだろう?」

 「二、三年は空いてるんじゃない?」

 「そんなに経ってるんだ」

 「月日が流れるのは早いわね」

 「そうだね。いまはこうして一緒に居られるけど、」

 「いつかはお姉ちゃんとも離れ離れになるんだよね……」

 「まあ、その可能性は否定しないけど、そんなにすぐってわけじゃないわよ。」

 「それに里美のほうが、アタシを置いて居なくなる可能性だってあるんだから」

 「そんなことないよ。わたし、ずっとお姉ちゃんと一緒にいるもん」

 「気持ちは嬉しいけど、ずっとというわけにはいかないと思うわよ」

 「……うん。分かってる」

 「だからこそ、一緒に居られる時間を楽しみましょう?」

 「そうだね!」

 「そういうわけだから。モニターの前のアナタ。おやすみ!」

 「おやすみなさーい」

なぜなにしぇいむ☆おん第三回 おわり