なぜなにしぇいむ☆おん第十一回
「里美です。なぜなに《しぇいむ☆おん》が始まるよ!」
「ちょっとちょっと! 土曜と日曜は休むんじゃなかったの?」
「うん。でもいつも保守ツールを動かしているスタッフのPCが壊れて」
「名無しさんたちが頑張って保守してくれてるみたいだから……」
「申し訳ないと思っちゃったんだ?」
「う、うん」
「かーーっ! 甘いわね里美も」
「そ、そうかな?」
「そうよ。そんなんだからこんな質問が来るのよ」
Q1.・・・里美は本当にツンデレなの?
「ううっ、広義ではツンデレだよ。多分……」
「狭義だとツンデレじゃないと?」
「わかんない。でも内藤さん相手にツンツンしちゃうシチュもあるんだよ」
「あの程度でユーザーは納得するかしらね?」
「だ、だってみんながみんなテンプレみたいなツンデレだったら、面白くもなんともないよ」
「まあそれは一理あるわね」
「そうそう。王道のツンデレは飯島さんに任せておけばいいと思うの」
「ああ、ある意味ベタよね」
「でもそれがツンデレスキーにはたまらないんだよね」
「ええそうね。ほんっっっと! 吐き気がするわ」
「お、お姉ちゃん! またそんなことを言って。ダメだよ汚い言葉を使っちゃ!」
「そんなに汚いかしら? 率直な感想なんだけど」
「だから直球すぎるんだよ。お姉ちゃんは」
「仕方ないじゃない。そういう性格なんだから」
「いままでお姉ちゃんに彼氏が居なかったのがよくわかったよ」
「どういう意味よ!」
「別に……」
「なんか今日はやけに素直じゃないというか反抗的ね?」
「そんなことないよ。普通だよ」
「ひょっとして里美。冷蔵庫にあったグレープフルーツジュースを飲んだことを怒ってるの?」
「あ〜〜! やっぱりお姉ちゃんが飲んじゃったんだ!」
「アハハ、お風呂からあがったら、なんかこうサッパリしたもので喉を潤したかったのよね」
「ヒドいよお姉ちゃん」
「悪かったわよ。でも別に誰のものって決まってた訳じゃないでしょう?」
「決まってるもん。最後の一杯はわたしのだって」
「小さいころにお姉ちゃんが約束してくれたじゃない」
「そ、そうだっけ?」
「そうだよ。それなのにヒドいよ」
「ちなみにその約束っていつしたっけ?」
「確かわたしが幼稚園でお姉ちゃんが小学生のときくらい」
「そ、それは……。ちょっと忘れてても時効なんじゃない?」
「約束に時効なんてないんだよ! お姉ちゃんのバカ」
「あ、里美待ちなさいよ!」
「あーあ。行っちゃった。ちょっとうっかりしてたわね」
「寛容な里美だけど、約束事に関しては厳しいのよね」
「ん? どうしてだか知りたいの?それはもちろん秘密に決まってんでしょ」
「完成版で確かめてね!」
「それじゃあ今日はこの辺でおしまいよ。またね。おやすみ」
なぜなにしぇいむ☆おん第十一回 おわり